素材の魅力すべて見せます:「釣船茶屋ざうお本店」

2001.11.19 240号 2面

埼玉県さいたま市。一七号バイパス道路の裏側にこつ然と現れた鉄筋倉庫は、看板と引き戸を除けば、一見普通の倉庫である。しかし扉を開けたとたん、目の前に広がる光景に度肝を抜かれる。巨大な水槽の真ん中に、漁船がどーんと浮かんでいるのである。あたかも倉庫の中に海が出現したかのようだ。

船の上にも、水槽を囲む四方の小部屋にも、釣竿を持ってはしゃぐ人たちでいっぱい。まるで釣り堀だが、ここはれっきとした居酒屋だ。

福岡を中心に九店舗を展開し、いま大繁盛の釣船茶屋「ざうお」が今年6月、さいたま市の副都心近辺にオープンした。水槽にはタイやヒラメ、伊勢エビなど常時一〇種類の魚が泳ぎ回り、釣った魚は、その場で活け造りや塩焼き、煮付けなどにして食べられる。

釣り竿とエサのセットは二〇〇円。自分の釣った魚を調理してもらえば、伊勢エビの活き造りなら通常価格三九八〇円が一五八〇円になるなど、二~六割も安くなる仕組みだ。そのお得感も手伝って、来店客の半数は竿を握る。

だが何よりも遊び心を刺激されて、大人も子供も夢中になってしまうのだ。釣れるたびに従業員が飛んできて、「おめでとう」と拍手喝采、館内は客の歓声で盛り上がる。

「遊びを感動に変える。お客様に満足感と感動を味わってもらうのがウチの社長のポリシーです」と埼玉店の店長、佐々木雅之さん。ざうおを展開するのは、福岡でユニホームなどのアパレルやマリンレジャーを手がける(株)ハーバーハウス。福岡の本店は、七年前、海の家をイメージし、廃材を組み合わせて社員が手作りした。船のある釣船タイプの居酒屋は四店舗。倉庫に船を浮かべて海に見立てるという発想は、マリンレジャーを手がける同社ならではのものだろう。

海のない埼玉では、「生きている魚を見られるだけで、お客は感動してくれる」という。お手軽レジャーとして、サラリーマンから家族連れまで楽しめ、鮮度満点の魚も堪能できる。

一竿当たり平均二匹は釣れるそうで、毎日水槽に補給する魚は、多いときには一〇〇匹にも上る。土・日は、四〇〇席ほとんどが満席だ。

月商は二五〇〇万~三〇〇〇万円。埼玉店は同社にとって関東進出第一号。郊外型店舗のニューカマーと期待され、提携話も多く、今後は三年で一〇店舗を関東近郊にオープンさせる計画だ。

◆「釣船茶屋ざうお本店」/埼玉県さいたま市三橋二‐六七三‐一、電話048・645・2788

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