地域繁盛店(大阪)ヘルシーメニュー編:こんにゃく百珍北浜本店

2001.11.19 240号 5面

店のある大阪・北浜は、大阪屈指のビジネス街。ランチタイムには、付近のOLやサラリーマンが、ディナータイムには、会社の接待として利用する客も多いという。利用客は、男女の別なく二〇代~八〇代と幅広いが、ランチにコース料理を楽しむミセスのグループも多い。コンニャク料理のヘルシーさが多くの世代に支持されているといえるだろう。

料理にはすべて、コンニャクを使用。メニューはコース料理が中心で、さまざまにアレンジされたコンニャクが次々と登場する。「えっ、これがコンニャク?」とびっくりする客も多く、その変身ぶりは見事だ。コースメニューは、月ごとに変更。自家製コンニャクをはじめ、日本全国から探してくるという多彩なコンニャクを自在に使って、新たなコンニャク料理が創造されている。

料理は、コンニャクとほかの素材を組み合わせて、バラエティーに富んだ味わいにしているが、コースを全部食べても五〇〇カロリーを基準に作っているという。

おいしくて健康にも良い料理を楽しませてくれる店として、利用客を伸ばしている。

◆こんにゃく五種盛(500円)

コンニャク料理専門店ならではの品ぞろえで楽しめるのが、酢味噌と醤油で食べる「こんにゃく五種盛」。皿に美しくあしらわれて登場する、いわば、コンニャクのお刺身だ。四万十川の川海苔が入ったものや、梅ジソ風味のコンニャクは、上品な味わい。縮れたサラシクジラ風や、つるりとしたフグ刺し風の品は、それぞれの持つ食感を楽しめる。また大根のケン代わりに、白滝よりも柔らかく細めの、そうめんコンニャクを配している。

◆ヘルシーコロッケ(380円)

見た目はまったくのコロッケ。味も、昔風の懐かしいコロッケという雰囲気だ。使用するコンニャクは、コメ粒ほどの小さなタイプ。あらかじめだしで炊き込んだジャガ芋と玉ネギ、コンニャクを合わせて小判型に形作る。コンニャクとジャガ芋の割合は同量ほどだが、コンニャクが入っているとは気が付かないほど自然な味わいだ。ジャガ芋にしっかりと味付けがされているため、ソースを使わなくてもそのまま食べられる。

◆店主からの一言 赤坂良博料理長

「高齢化社会を迎えて、体によいものを食べたいという志向が高まっているのでしょう。昼食にも、糖尿病などの生活習慣病を気にする人が多いですね。メニューは、自家製のコンニャクを使ったものがメーンですが、特殊な製品はほかから仕入れを。山形から沖縄まで、広範囲から珍しい商品を取り入れています。目標は、おもしろいと感じながら、楽しく食べてもらうこと。接客も、できるだけフランクにと心がけています」

◆店主の愛用食材

自家製コンニャクが中心のこの店では、一番の愛用食材は「コンニャク芋」。できるだけ自然に近く安心できるものをという考えから、有機栽培された芋を使用。苦労してルートを開拓し、広島の生産者から産直で仕入れている。

芋から作るため、コンニャクとして出来上がるまでには六~七時間かかる。薬品でコンニャクを固めるのではなく、奈良・吉野の木灰を使用。完成品は「生芋板こんにゃく」として、店内でも販売している。

◆こんにゃく百珍北浜本店(大阪市中央区北浜一‐九‐九、北浜長尾ビル地下一階、電話06・6222・0833)

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