創意工夫の販売方法・中食編(3)厳選素材で満足感を訴求

2002.02.04 245号 18面

「海鮮ブロッコリーただいま出来立てです。お熱いうちにいかがですか?」と元気な声が売場に響き渡る「桂林」は今日も西武百貨店の地下食品街を歩く女性の目を引き付ける。とにかく美しい発色のそのクローズケースは、こだわりにこだわった料理人の厳しい目から選ばれた優秀な素材たちの共演舞台そのものである。この鮮やかな素材そのものの色は視覚と食欲が直結した女性をとりこにしてしまうのである。

この時勢にあって桂林は前年対比二ケタ成長率を誇る。「お金をいただいた以上の価値観・満足感を必ずお客様に与えたい。日々どれだけの方にどれだけご奉仕できたかを常に考えている」(森下雅由マネジャー)という企業ポリシーが成長の原動力だ。

商品開発のポイントは「素材の厳選」「味付けの工夫」「すべてのパックに肉やエビなどのメーンの具材をとにかくたくさん詰める」の徹底である。

その具体例として、まず酢豚を分析してみたい。日商平均約八〇万円を超える桂林池袋店の売れ筋ナンバー1メニューであり、単品で最低日販八万円を売り切るこの商品(四キログラム鍋で一〇回転)は、一般家庭の味付けとは一風違ったケチャップ味と、なんといっても肉が多いのが特徴だ。

二〇〇g購入多い商品だが、平均客単価一一〇〇円・購入アイテム数二~三品の同店では三~四人に一人は購入している計算になる。

その他の売れ筋商品は、海老チリ、海鮮ブロッコリー炒め、八宝菜、豚肉ピーマンと続く。こだわりのデザートでは一日販売数一〇〇個を超える商品もある。

現在首都圏中心に一二店舗を展開し、今春は東北進出も予定している。一店舗一店舗商圏特徴をよく分析・検討しその店に合った商品を展開しているからこそ周囲から脚光を浴びる。

現状の繁盛にとどまらず、常に三~五年先を考え方針を出す山形繁人オーナーと、店舗全体の総指揮官である山口恵司営業部長のコンビに、業界は大きな関心を寄せている。

((株)サンエーシステム企画開発室長・高橋理枝)

◆「桂林西武百貨店池袋店」=東京都豊島区南池袋一‐二八‐一、電話03・3985・8738

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら