地域繁盛店(京都)ヘルシーメニュー編:TaWaWa新風館店

2002.03.18 248号 7面

京野菜を取り入れた創作フレンチ料理を提供する「TaWaWa(たわわ)新風館店」は、京野菜の老舗「かね正青果」がプロデュースした「TaWaWa北山本店」(北区)に続く二号店。「伝統の京野菜やフルーツをもっと多くの人に気軽に味わってもらおう」との視点で趣向をこらした多彩なメニューが、ヘルシー志向の幅広い年齢層に受けている。

青果店の系列という利点を最大限に生かし、契約農家がその日の朝に収穫した新鮮な京野菜や地場野菜をふんだんに使用。京漬け物も、小皿で出すほか料理の素材として使われている。店頭に数種の京野菜をディスプレーして紹介。メニュー表も「壬生菜」「伏見とうがらし」など京野菜ごとに五~六種の一品を選べるページが設けられており、「京野菜」というブランドのPRにつながっている。

またフルーツをぜいたくに使ったデザートも好評で、店頭で常時一五種類以上を販売。店内でも食べられる。フルーツを丸ごと一個使って器に見立てたり、ケーキの上にたっぷり盛ったりと、鮮やかな彩りとボリューム感が特徴だ。

土・日の午後2時~5時限定のフルーツバイキングも、利用客が一日七〇人を超える人気になっている。

◆TaWaWa新風館店(京都市中京区烏丸通姉小路東南角、新風館3階、電話075・257・8058)

◆ひと言 田畑貴也店長

店のある新風館は、レストランやブティックが並ぶ若者をターゲットにした大型複合施設。烏丸通のビジネス街に面している一方、周囲に博物館や昔ながらの街並みも広がり観光客の多い場所でもある。

それだけに「主婦やOL、学生など客層は幅広い。京野菜とフルーツをたっぷり食べられることが、ヘルシー志向の女性を中心に受け入れられているのでは。野菜メーンのメニュー目当てに訪れる高齢層も多いですよ」と店長の田畑貴也さん。

◆京野菜カレー(700円)

伏見とうがらしや壬生菜、賀茂なすなど、旬の京野菜がたっぷり味わえるカレーは、店の一番人気。野菜が大きくカットされているので見た目も楽しい。野菜それぞれの風味や歯ごたえをしっかり味わえるようにと、唐辛子やナスなど軟らかいものは素揚げに。カボチャなど実が硬いものはブイヨンで炊いておき、オーダーを受けてからルーと合わせて煮込んで出す。ルーは野菜から出る水分に負けないようにと濃いめの辛口だ。

◆京漬物のピラフ(700円)

白い京しば漬けと九条ねぎ、キノコなどが入ったあっさり和風のピラフ。出された瞬間、しば漬けの甘酸っぱい香りがふんわり立ち上り、食欲を刺激する。味つけの決め手は仕上げに混ぜるニンニク醤油。ニンニクを一〇日間ほど漬け込んだ醤油が、独特の香ばしさをかもし出している。しば漬けは「かみやすいように」と米粒大くらいに細かく刻んであるので見た目の存在感はあまりないが、漬け物になじみの深い高齢層に人気だとか。

●愛用食材 特製エスビーカレー

一番人気の京野菜カレーに使うルーは、店のオリジナルレシピによるもの。調理の際にスパイスなどを足して風味を調整するが、野菜を入れて煮込んだときに水っぽくならないようにと、さらに加えるのが辛口の特製エスビーカレー。カレー粉をバターで炒めてルーに混ぜ合わせる。

「食べた後まで辛さが残るくらいしっかりとした味がつくんです」と話す田畑さん。

ルーの辛さが野菜本来の甘みを引き立て、口の中で絶妙のバランスを生む。

◆エスビー食品(株)/電話03・5970・6824

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