地域繁盛店(長崎)低価格メニュー編:いなかや食堂

2002.07.15 256号 7面

スタッフの元気の良さが魅力的な活気のある居酒屋。懐かしい、レトロな雰囲気を持つ店内には、手軽な料金のメニューがズラリと並び、学生やファミリーが連日押し掛ける。料理は、全体的に薄味だが、ソース類はしっかりと作り、素材の味をうまく引き立てている。

オープンと同時に始めた五八〇円~の低価格のランチは、近くのデパートに勤めるOLにも人気が高い。夜の居酒屋メニューにも使える食材を使い、ロスのないようにするのは当然だが、大量仕入れすることによってコストを抑えている。

学生が多い町であるために、値段も高くはできないのが現状だ。しかし、ランチでの儲けはあまり考えておらず、夜の営業につなげるため、というのが第一の目標である。ランチでいいものを提供すれば、夜の営業も伸びる。ランチは、夜の営業の最大の宣伝という考え方だ。

ランチで、最も気を遣っているのはご飯である。大きな釜でふっくらと炊き上げた後に、おひつに入れ、おひつの香りをご飯につけているのである。

また、一〇〇円で提供している食後のコーヒーは注文を受けてから煎れ、季節限定のランチメニューも登場する。

こういう点も若いOLに支持されるポイントだろう。

◆いなかや食堂(長崎県長崎市花丘町一‐二四、モール花丘2F、電話095・844・3062)

◆ひと言 田吉賢一責任者

「お客様もスタッフも若いので、何よりも、スタッフの元気のよさを大切に考えています。そして、その時その時、旬なものをできるだけ安く仕入れて、低価格でお客様に提供することで、また足を運んでいただける店になるのだと思って続けています。ランチは本当に夜の宣伝効果ですね。今はメニューは和食中心ですが、これからはお客様のニーズに合わせて、パスタなども取り入れたいと考えています」

◆愛用食材 K&K国分の純生パン粉

食材屋さんに紹介してもらった、防腐剤を使用していない生パン粉は、オープン以来ずっと愛用している。荒目は家庭用の普通のパン粉の大きさだが、大荒目はパンをちぎっただけのような印象。カキフライ、コロッケ、メンチカツなどに使うパン粉は、すべて荒目と大荒目を一対一でブレンドしたもの。大荒目がサクサク・カリカリという食感を出してくれるのに対し、荒目はまわりをカバーしてくれるので、とても使いやすい。

◆国分(株)岡山工場/岡山市鉄三二〇‐一、電話086・279・1135

◆チキン南蛮定食(580円)

夜は単品メニューとして出している店の人気メニューをランチに登場させた。軟らかいチキンには、程よい甘酢が染み込んでおり、自家製のタルタルソースと白髪ネギがのっている。チキンはパサパサしないように揚げすぎないように注意し、タルタルソースには、多めにレモン汁を入れ、市販のものより軟らかく仕上げる。ご飯・味噌汁・お新香のほかに、日替わりで小鉢が付く。小鉢はランチだけのために、毎日作っている。

◆カキフライ定食(750円)

11月~2月にかけて登場する期間限定メニュー。客にがっかりされないようにと、小さなカキは二つをくっ付けて揚げている。中をふんわりするために、揚げすぎないように注意している。こだわりのパン粉でカラリと揚がったカキフライと、自家製のタルタルソースの相性も抜群だ。このほか、ご飯・味噌汁・小鉢・お新香が付く。夜は単品で六〇〇円で出しているので、常連客にとっては、昼の定食はかなり得に感じる値段だ。

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