めざすは一流MISS料理人:ピザーラ高島平店デリバリー担当・小原真弓さん
東京都板橋区の宅配ピザ「ピザーラ高島平店」からは、いつもスタッフの元気な声が聞こえてくる。なかでも目立つのが二〇歳・短大生のデリバリースタッフ、小原真弓さんだ。
小原さんが「ありがとうございました」と背筋をのばしておじぎをする姿は美しい。
それもそのはず、小原さんは昨年ピザーラのデリバリー担当者七五〇〇人を対象に行われた「ピザーラスタッフコンテスト」の優勝者。このコンテストはピザの配達から会計までの接客態度をロールプレーイングで競うもの。言葉使いだけでなく、声の大きさ、おじぎの仕方まで厳しくチェックされる。
「コンテストでは、アドリブでクーポン券とキャンペーンの特典の紹介をとどこおりなくできたのが得点につながったのだと思います」
小原さんは、料理とバイクが大好き。ピザのデリバリーは高校時代からのあこがれの仕事だった。それだけに仕事に対する姿勢は真剣そのものだ。
「看板をしょってますから、スピードの出しすぎなどのマナー違反はご法度。早く届けることは大切ですが、それ以前に早く届けられる方法を見つけること。それはメーキング(店内スタッフ)とのチームワークに尽きます。バイクが無理して事故でも起こしたらお客様に迷惑ですから」と言う。
日ごろから、店内ではなるべく大きな声を出す、配達先では、客の動きをよく見て、相手のタイミングに合わせて応対することを心がけている。
「不機嫌そうに出て来られたお客さまでも、こちらがちゃんと応対していれば、最後には笑顔でご苦労さまと言ってくれます。そんな時が一番うれしいですね」と笑顔で語る小原さん。
優勝は、その繊細かつ積極的な仕事ぶりが評価された結果のようだ。
他店の味やサービスの研究にも余念がない。
「ピザーラのピザ生地は、フワフワと軟らかくて、どこよりもおいしい」と自信をもって薦めることができるという。
多くの客と接してきた経験から言える意見もある。
「ほとんどのお客さまが、宅配ピザは三〇分以内に届くものと期待しています。時間をお約束できなくても、それに近づけようとする努力、また、誠意ある接客マナーを心がけることが、信用を得るポイントだと思います」
いまの仕事をスタート台に、将来はサービスの行き届いた飲食店を自ら手掛けたいという。
外食界に期待の有望株の登場である。
◆「ピザーラ高島平店」(東京都板橋区徳丸六‐二二‐一、アイランドコーポ2一階、電話03・3932・7200)
◆プロフィル
こはら・まゆみ=昭和57年東京都生まれ。両親と兄、祖母がいる。実践女子短期大学・食物栄養学科2年生。趣味はバイク。カラオケ、ギター、お菓子作り。高校時代はソフトボール部ピッチャーでならしたスポーツウーマン。
◆デリバリースタッフの後輩へ
接客はサービス業の基本。自分を磨くよい経験になります。中でも、お客様の範疇(自宅など)で接客するデリバリーサービスは、店内接客よりも臨機応変が求められると思います。その分やりがいもあります。経験は絶対無駄にならないはずです。
◆上司からのひと言
(有)ユーアイ(ピザーラ・フランチャイジー)代表取締役・宇井仁志さん
彼女はすごく姿勢がよいんです。だからおじぎの仕方もすごくきれいですね。声も通るので、お客さまに好印象をもっていただけます。仕事に対しても前向きです。けれども、まだまだ自分の良さや可能性の自己認識に欠けています。いわば金の卵。この仕事で学んだことと、自分の良さを生かしていけば、きっと将来、大成功すると思いますね。
◆いちおし食材 デンマーク産食肉品
デンマークでは、安全性の確かな豚肉を生産するため「Farm to Table」(農場から食卓まで)のすべての過程で、厳しい安全基準のもとに品質が管理され、トレーサビリティーを確立している。そうした豚は、デンマーク食品農業水産省によって厳しい検査を受けた農薬等残留物の心配のない飼料を食べ、ゆとりある宿舎で衛生的に育てられている。このように信頼のおけるデンマーク産豚肉を原料として作られた食肉製品を、ピザーラではピザのトッピングに使用している。