マクドナルド、中国でFC経営本格化、天津1号店開設へ

2003.11.03 277号 8面

マクドナルド(Mc)はこれまで、中国で保守的な経営を続けていたが、天津でフランチャイズ経営の第一歩を踏み出し、正式に中国でフランチャイズ展開を始めた。8月31日に開催された二〇〇三年アジアフランチャイズ展/第五回中国フランチャイズ大会で、Mcは応募してきた一〇〇〇人余りの加盟希望者の中から天津の投資者を選んだ。この加盟者は近く加盟店第一号として営業を始める。

中国人は起業精神の旺盛な民族といえ、フランチャイジーとしてチャレンジする人々が多く存在、フランチャイズ事業にチャンスを提供するとみられる。

昨年の中国フランチャイズ大会に初参加したMcが加盟条件を提示して加盟申請を受け付けたところ、一年間で一〇〇〇人もの申請があり、天津の投資者が第一号として選ばれた。これらの希望者は平均三五歳、大卒以上の学歴者が八〇%を占め、平均投資額は五〇万元であった。結局、Mcは一人を選んだだけで、中国でのFC業務には慎重だ。

また、Mcに次ぐアメリカ第二のファストフードチェーン「バーガーキング」も中国進出を狙っており、すでに具体的な計画が進行中という。スターバックスやサブウェイなどのような国際企業が本社から直接営業販売権を与える方法で加盟者を募り、経営してきたのと同様な方式にするつもりである。バーガーキングはアメリカ本社から会場に代表を派遣して地域のフランチャイズの協力者と交流を図るなど、中国でのビジネスに積極的である。

中国にFCビジネスが本格的に出現してきたのは九〇年代に入ってから。八〇年代中期からMc、KFCが中国に進出し主要都市に店舗を急展開させた。しかし、進出形態は飲食業の合弁事業直営店にとどまり、FC形態はとれなかった。この時期にはピザハットやセブンイレブンなど一部の世界的有名FC企業も中国市場に参入したが、フランチャイズによる事業展開には至らず、ほとんどが合弁や合作・店舗リースなどの形を利用して店舗数を伸ばしてきた。九〇年代に入り、本当の意味でのFCビジネスが中国で開花する。KFCは九三年に西安市でFC一号店出店以来、各地で店舗展開してきた。

中国のFC経営の環境が整ってきたのに伴い、投資の機会を求めて国際FC企業が積極的だが、問題点も指摘される。

近年、中国の経済発展に伴い、特に上海、広東などの沿岸地域は国民所得が大きく増え、購買力が急速に向上した。が、フランチャイジー(加盟店)としての投資能力は全体としてまだ低い。主に個人企業家のフランチャイズ投資金が五〇万元(約七五〇万円)以下にとどまっているケースが多数を占めている。また、投資家への金融バックアップ体制もまだ不完全で、発展を阻害する要因の一つとされている。

契約遵守意識の不足も大きい。フランチャイジーの法的意識が低く、契約を遵守しない行為が多発している。FC事業の命はフランチャイジーの契約遵守や知的所有権の保護にあるにもかかわらず、契約を履行せずに事業で失敗を招くケースは少なくない。

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