電化厨房システム特集:電化厨房活用事例=なだ万賓館
東京・新宿駅の小田急百貨店本店一四階にある日本料理の老舗「なだ万賓館」は、落ち着いた雰囲気で食事が楽しめる店。
「当店では一〇年ほど前の開業時にテーブル席の全席を電磁調理器内蔵タイプにしました。当時まだ電化は珍しく日本料理の店で電磁調理器を採用したのは当店が最も早いと思います」と支配人の三浦洋次さん。
「電気は、直火が出ず安全であるうえ、静かに食事や会食ができる環境づくりに最適です」と採用理由を語る。
この店の電磁テーブルは天板全体が木目調なので、電磁調理器が内蔵されているとは気づかない秀逸なデザインだ。
人気のメニュー「紙鍋」は電化をフル活用した料理。テーブルに水を満たした木の盆を置き、中のセラミックの鍋置きに竹かごをセット、その中に鉄板の入った紙鍋を置き、旬の食材を入れてスイッチを入れると電磁調理器が鍋の鉄板に反応し沸騰する。
水を満たした盆が断熱材の効果をするのでテーブル周りも熱くならないうえ、水中に黒石を入れたり、花を浮かべるなど風情を演出できる。まさに老舗の味づくりと最新技術の融合した傑作料理といえよう。
厨房でも電磁ヒーターを使用している。「カウンターで、お客さまの前で肉を焼いたり、天ぷらを揚げても客席が熱くなることがありません。それに天ぷら鍋を加熱する時でもゴーゴーという音がしませんから、お客さまに不安感を与えることがありません」と調理長の根笹卓也さん。
◆なだ万賓館(東京都新宿区西新宿一‐一‐三、新宿小田急百貨店一四階、電話03・5381・0700)営業時間=午前11時~午後10時30分(ラストオーダー午後9時30分・懐石料理は午後9時)/席数=一七五席/使用機器=電磁調理器内蔵テーブル、電磁ヒーター、ほか