食材トピックス:めいらくグループ ソフトアイス「スジャータTOMI」
ソフトクリーム(マイナス四度C)とアイスクリーム(マイナス二〇度C)の中間温度帯・マイナス一二度Cを活用した、めいらくグループ・名古屋製酪(株)(名古屋市天白区、電話052・831・6688)のソフトアイス「スジャータTOMI」が、業務用アイス市場で急伸長を続けている。専用容器と専用マシンにより、鮮度訴求の新食感を生み、コストや手間を大削減したことが注目される。
慶應義塾生活協同組合では三年前、三田食堂部と女子校食堂に「スジャータTOMI」を導入。売上げを順調に伸ばした。
「季節を問わず、多いときは一日一〇〇個以上出る。『自分で作る』セルフ方式のアミューズメント性と、一〇種以上のフレーバーから『好きに選べる』楽しさが学生たちにウケており、リピートも多い」と同生協・大野光治氏。
ソフトアイスのセルフ巻きは、学食などカフェテリア業態での導入例が増えており、「上手に巻けたらもう一つ贈呈」「巻き巻きコンテスト」などのイベントを実施する店もある。
現在「スジャータTOMI」の導入数は全国二万四〇〇〇軒。ホテル、観光売店、公園などの施設をはじめ、CVS、キオスク、ベーカリーなどの店舗、またラーメン、焼き肉、カフェなどの外食店とあらゆる業態に適応し、〇五年3月までに三万軒設置、売上げ一〇〇億円が目標だ。
「スジャータTOMI」の特徴は、マイナス一二度Cを保つことで、機械で絞りやすく、溶けにくく、食感が絹のようになめらか。乳固形分一五%以上、乳脂肪分八%以上で、成分規格はアイスクリームに分類される。一食分がパック容器入りなのでロスが出ず、操作もメンテナンスも簡単、省コスト・省スペース、一台で複数フレーバーに対応が可。
現在フレーバーは全二四種。定番「バニラ」のほか、「さくら」などの季節品、「わさび」「豆腐」などの和風味、5月からは「バラ」「ラベンダー」も新登場した。一部アイスの製造・充填はオーストラリアでも行っている。
ソフトアイス専用の抽出機「ワンショット」は、英国・ユナイス社が開発。世界三二ヵ国で活用され、日本では機器メーカーのサンデン(株)が業務提携している。専用の調温庫と合わせても、一般的なソフトクリームフリーザーに比べ小型・軽量。初期費用は半分以下、電気代六分の一、水道代ゼロとランニングコストも低減できる。
機械とアイスが直接触れないため衛生的で、分解洗浄が要らず拭くだけなので手入れがラク。給排水管や二〇〇V電源不要で設置場所を選ばない。3月には、より小型で抽出速度の速い新機種も導入された。
めいらくグループは今後「温泉やカラオケ施設など天候に左右されないアイス市場での一定シェア確保をめざす」という。新フレーバー開発やメニュー提案で、新需要の創出も期待される。