宅配メニューの新発想:レストラン・エクスプレス 宅配釜飯「釜寅」
宅配ずしチェーン「銀のさら」(277店)を展開する(株)レストラン・エクスプレス(東京都台東区、電話03・5807・6120)は、銀のさらの複合店戦略として、宅配釜飯「釜寅」の新規チェーン展開に乗りだす。すし店ならではの新鮮素材を使いユニークな釜飯を打ち出すほか、1店舗内に和食2業種を共有するスケールメリットで、人材、食材、オペレーションなどの高効率化を推進。相乗効果による収益アップを図る。年内中に直営20店、来年から全店複合化を目指す。
釜寅は、一五種類の釜飯をラインアップし、薬味、だし汁、漬け物をセットして御膳形式で宅配するもの。“三度おいしいのが釜寅流”と題し、(1)そのまま食べる(2)薬味を乗せて食べる(3)お茶漬けにして食べる、という新しい釜飯の食べ方を提案する。見た目は“ひつまぶし”の要領だ。
「和食でありながら、おいしい釜飯は意外に少ない。釜寅は、銀のさらで使う新鮮なネタを共有して使うため、最高品質を提供できる。複合店だが店長を二人配して万全を期す」と江見朗社長。「複合店化は、中長期事業戦略の一環だが、釜飯はすしに比べて生産性が高く、業種ビジネスのポテンシャルも高い」と強気だ。
6月に一号出店した東京・滝野川店の試験展開では、月商は約三〇〇万円。ポスティングの反応率も予想以上に高かった。
複合化の追加投資は店により異なるが、おおよそ四〇〇~八〇〇万円(銀のさらは約三〇〇〇万円)。売上げは、客単価三五〇〇円(同四八〇〇円)、月商三〇〇~五〇〇万円(同六〇〇~一〇〇〇万円)を見込む。
また、これを契機に宅配バイクの荷台を改良。従来のおかもちを廃し、荷台を水平に保つ免震構造のオリジナル宅配トランクを導入する。さらにトランクを広告塔として活用。片面に「銀のさら」、もう片面に「釜寅」、背面に「レストラン・エクスプレス」のロゴマークを刷り込む。専門店ブランドを訴求するため、面別に単一屋号を視認させるユニークな試みだ。
銀のさらは、チェーン足かけ二年で二七七店舗(直営三六/FC二四一)を築いた。来春は、四五〇店舗体制を視野に全国ネットのTVCMに乗りだすなど、株式上場に向けて一気に加速している。
「銀のさらと釜寅の複合店化が第一ユニット。第二ユニットとして高齢者宅配、第三ユニットとして洋食宅配を計画している」と江見社長。「トータル八〇〇店舗をレストラン・エクスプレスの第一ステージと位置づけている」と言う。
宅配ピザブーム後、久しぶりに現れた宅配ビジネスの有望企業。市場活性の牽引役として大いに注目されるところだ。
◆「(株)レストラン・エクスプレス」(本部=東京都台東区台東一‐三八‐九、電話03・5807・6120)設立=平成13年7月/資本金=一億〇五〇〇万円
◆宅配ずし「銀のさら」と新鮮なネタを共有
●「釜寅」のメニューアイテム=「釜寅五目」(1280円)、「カキ釜飯」(1380円)、「鶏釜飯」(1180円)、「鮭いくら釜飯」(1480円)、「かに釜飯」(1680円)、「うなぎまぶし」(1580円)、「鯛釜飯」(1380円)、「海鮮釜飯」(1800円)、「いくら三昧」(1800円)、「ビビンバ釜飯」(1280円)、「豚キムチ釜飯」(1380円)、「角煮釜飯」(1380円)、「ブリ大根釜飯」(1280円)、「明太ささみ釜飯」(1480円)、「炊きたて銀しゃり」(1380円)、「釜飯KIDSハンバーグ」(780円)
※オーダーは1500円以上から。