吉野家、中間連結は牛丼販売停止で赤字に 売上高17.5%減
(株)吉野家ディー・アンド・シー(東京都新宿区、電話03・5269・5111)が10月8日に発表した中間連結決算は、売上高五八五億一七〇〇万円(前期比一七・五%減)、経常利益二三億一三〇〇万円の赤字(前年は七一億七九〇〇万円の黒字)、中間純利益一九億三一〇〇万円(同五三・一%減)と、減収経常利益赤字となった。昨年12月に発生した米国牛BSE発生による牛肉輸入禁止措置による主力商品の牛丼販売停止が響いた。
牛丼チェーン「吉野家」国内一〇〇八店舗の上期売上高は前年比三〇・三%減(同既存店二四・九%減)、客数二六・三%減(同三一・六%減)、客単価二・一%増(同二・一%増)と、客数の減少により売上高が大幅減となった。店舗数は海外を含め新たに四七店舗を出店し、当中間連結会計期間末での店舗数は一二五〇店舗となった。
国内では、牛丼終売以降低迷した業績の回復に向けて、「豚丼」を始めとした新商品を積極的に導入し、8月には「豚丼」「牛鉄鍋膳」「牛カレー丼」「角煮きのこ丼」(地域によっては焼鶏丼)の四商品を全店舗共通の「新・定番」とした。さらに、新商品の訴求のため積極的なセールスプロモーションを実施するとともに、牛丼のない「吉野家」として、新たな利益構造を構築するため、一層のローコスト化、効率化に取組んだが牛丼販売休止に伴う売上げ低迷のダメージをカバーするまでには至らなかった。
海外は、米国の既存店売上高は前年割れとなったが、全面改装店舗および新設店が好調に推移したことから、現地通貨ベースの売上高は前年を上回った。台湾は、日本と同様に米国産牛肉の輸入停止措置を受けて牛丼販売を休止し、新商品を積極的に導入したが、牛丼販売休止の影響を大きく受け、売上高は前年を下回った。
米国産牛肉の輸入禁止措置が通期継続することを前提にした通期連結業績予測は売上高一一五二億円(前期比一八・三%減)、経常利益二一億二〇〇〇万円の赤字(前年実績一二四億三四〇〇万円)、最終益二五億四〇〇〇万円の赤字(前年実績五六億四〇〇〇万円)。