電化厨房最前線(30)「ラーメン一番」蔵前橋通り店

2005.01.03 295号 16面

「ラーメン一番」は飽きない飾らない昔ながらの中華そば「びっくりラーメン」を180円で提供する人気のラーメンチェーン店。現在、全国に170店舗を展開している。このチェーンで省コスト、省作業を推進し、競争力ある低価格メニューの実現に大きく貢献しているのがオール電化厨房だ。「蔵前橋通り店」でオール電化採用の成果と最新機器「IH回転炒め機」の使い勝手について聞いた。

東京・墨田区にあるラーメン一番・蔵前橋通り店はオープンキッチン採用の明るく、きれいな店だ。

「こだわりの食材を使ったおいしいラーメンを、子どもさんがおやつ代わりにも食べられる一八〇円で提供する。この実現のためには食材の自家製造システムの構築とオール電化厨房の採用が必要不可欠でした」と語るのは、(株)ラーメン一番本部専務取締役の加藤伸夫さん。

オール電化は調理作業の効率化、食材の歩留まり改善など、コスト削減効果が大きい。それに電力会社から適用される割引料金によってランニングコストも抑えられるという。

「電化は余熱がほとんどなく、機器の周辺が熱くならない。やけど事故がほとんどありませんね」と電化の安全性を強調するのは、店長の近江康秀さん

この店では店長以外のスタッフはすべてアルバイト。調理経験が少ないスタッフにも安心して調理を任せられるという。

キッチンでひときわ目立っているのが、「IH回転炒め機」だ。調理時に釜が回転し、中に入れた食材をかくはんしながら加熱する仕組みになっている。

「当店ではジャーで炊いた炊き込みご飯を、注文ごとにIH回転炒め機に入れ、ネギ油で炒めて提供しています」

オーダーから提供まで約三分しかかからない。

「立ち上がりが早く自動調理ですから、ラーメンを作りながら、チャーハンも調理できます。提供はほとんど同時です」

出来上がったチャーハンは、ネギ油が香り、おいしそうだ。

この「チャーシューライス」がなんと二一〇円。ラーメンと並ぶ人気のメニューだ。

「ガスと違って、他の調理やサービスに気をとられていても、調理に失敗することがありませんね」

食材に無駄が出ず、経済的なのもIH回転炒め機の魅力だ。

平日の夕方は学校のクラブ活動を終えて立ち寄る中学生で、週末はファミリー客でにぎわう。その集客力の秘密は、おいしいラーメン、チャーハンをリーズナブルな価格で食べられる魅力と、スピーディーなサービスにある。

オール電化は同チェーンの繁盛に大きく貢献しているようだ。

◆店舗メモ

「ラーメン一番・蔵前橋通り店」/東京都墨田区石原二‐一六‐一〇、電話03・3622・6500/営業時間=午前10時~午前2時/スタッフ=社員一人、パート六人/席数=三一席

◆現場からの声 蔵前橋通り店店長・近江康秀さん

電化厨房機器は経済的、安全性が高いというメリットのほかにも、清掃が簡単にできる、排熱が少なく店内の空気を汚さない、といった良さがあります。

とくにIH回転炒め機は、中華鍋を使って炒め作業をするのと違い、油煙が上がりにくいのがいいですね。お子さまやご家族連れのお客さまにゆっくりと、くつろいでいただける理想的店内環境の実現には、オール電化は最適だと思います。

◆(株)フジマック「IH回転炒め機」

(株)フジマックのIH回転炒め機の特徴は、次の通り。

(1)釜に食材を入れるだけで自動的に中の食材をかくはん、加熱しながら調理。忙しい時間帯でも人手に頼らず調理が行える。

(2)食材に適した火力、調理時間をメニュースイッチで選択することで、調理のマニュアル化が可能。

(3)熱効率に優れ、立ち上がりの早いIH方式を採用。微妙な火力調節ができる。

(4)燃焼排気の放出がなく、輻射(ふくしゃ)熱も少ないので厨房内の環境保持に最適。空調コストの削減も可能。

(5)本体からの熱の発散も少なく、裸火がないうえ、加熱防止サーモ搭載で高い安全性を実現。設置場所も自由自在。

(6)シンプルな構造なので清掃が容易。

中華鍋不要でチャーハンやラーメンの具材調理、各種炒め物料理に幅広く利用でき、発売以来、中華、ラーメン店、フードコートなどから注目されている。

▽問い合わせ先=(株)フジマック本社(東京都港区新橋五‐一四‐五、電話03・3434・2209(代))

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