フェース “タンポポ”の強さが大切 東亜商事・小山社長

1992.05.04 3号 15面

「家庭用商品はTV宣伝などマスコミ媒体力がヒットに大きな影響を与えるが、外食・業務用商品は“植林”に例えれば、一本、一本、手で苗を植え、育てるつもりで取り組まないと根が付かないし、また大きく成長もしません」を“持論”としているのは外食専門商社の大手・東亜商事㈱の小山喜代治社長。

ところで外食産業・トータル市場規模としては平成3年度で約二四兆円だが、その中身はフードサービス業の典型で、酒類・米・生鮮三品、それに加工食品を含めた、いわゆる“食材”そのものの市場規模となると約三分の一の八兆円といわれている。それだけに小山さん(われわれのように)加工食品を主体に扱っている食材専門商社は、“外食産業”という響きの良い言葉、すなわち表面に惑わされることなく「その実態を正しく把握した中で“機能の評価”存在価値を認めていただける企業・経営体質を目ざすことが重要です」と述べる。

いずれにしても、冒頭の小山さんの“持論”ではないが、外食・業務用については、商品の育成、販売だけでなく、そこで生き抜く企業(社員)についても、“植物”に例えれば、いくら丹念に水を替えても花びらが10日と持たないきれいな一輪差しのバラ(根なし草)よりも、たとえ幾度となく踏みつけられても季節が来れば黄色い花が咲く道ばたのタンポポのように、“土着”の根強い生命力が必要だ。

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