電化厨房最前線(35)立呑み串揚げ「龍馬」

2005.08.01 303号 20面

立飲み店が人気急上昇中だ。6月には新宿歌舞伎町初の立呑み店「龍馬」がオープン。連日客足が絶えない繁盛ぶりを見せている。この店の売りは新鮮な食材をカラッと揚げた串揚げ料理。その調理を担っているのがIHフライヤーだ。使い勝手について聞いた。

「IHフライヤーを選んだ理由は、(1)油温を一定に保てる(2)種火がなく安全性が高い(3)店内の温度を上昇させないの三つです」と語るのは店長の森孝紹さん。

串揚げ料理の場合、油温は170度Cが理想的だとされる。それより低いと揚げ物のコンディションが悪くなり、それ以上だと油の酸化が急激に進むからだ。火力の細かな調節ができないガスでは油温を一定に保つのが難しい。その点、IHフライヤーは油温設定がボタンひとつでできる。立ちあがり時間と食材投入後の温度復帰時間も早い。

「IHフライヤーは連続して調理をしても油温が大きく下がることがありません。お客さまのオーダーにいつでもすぐに、しかもベストの状態で応えられるのです」

油の劣化が少ないのも大きなメリットだ。ガスでは1週間しかもたなかった油が10日間使えるようになったという。

高い安全性も魅力だ。IHは炎がないので引火の心配がない。それに専用洗剤で洗うだけで清潔に保てる。素人では掃除ができず、ある期間使用するとオーバホールが必要となるガス式のフライヤーとは大きな違いだ。

「短時間で掃除ができますから毎日ピカピカ、新品同様です。油汚れがないので衛生的なのはもちろん、火災防止の観点からも安心、安全です」

店内を清潔で快適な環境に保てるメリットも大きい。フライヤー周辺が高温にならず油煙も少ないので、店内の空気がいつも清潔で油汚れも少ない。

揚げ物料理を扱う店にとってIHフライヤーは強力な戦力だ。

店を経営する(株)かいエンタープライズの代表取締役・谷口正俊さんは「リーズナブルな値段で串揚げ料理を提供する立飲み店と経済的で安全性の高いIHフライヤーは、まさに相性がぴったり。今後は当社のノウハウをIHでマニュアル化し、FC展開を進めていく」と意気込む。

◆店舗メモ

「立呑み串揚げ 龍馬」(東京都新宿区歌舞伎町1‐17‐13、J1ビル1階、電話03・5155・9606)営業時間=午後5時~午前0時

◆現場からの声:龍馬店長・森孝紹さん

当店の人気の秘密は、1品100円からの揚げたての料理と、ビールをはじめ日本酒、焼酎を豊富に取りそろえていること。お客さまは短時間にほどよく飲みたいという方ですから、スピーディーなサービスが大事です。

その点、IHフライヤーはだれでも失敗なく素早い調理ができます。調理経験のない人にも調理を任すことができます。

◆「IHフライヤー」ニチワ電機(株)

ニチワ電機(株)のIHフライヤーは、炎やニクロム線を使用していないので火災の心配がない。そのうえランニングコストがガスに比べて1時間あたり10円も安くなる(同社データ)という経済性も魅力だ。その他の特徴は次の通り。

(1)油温の過剰上昇を少なくする低温加熱方式採用で油の劣化を防止、油を20%も長持ちさせる。

(2)誘導加熱パイプで、槽内の油温を一定に保つことができる。

(3)電力の85%以上を熱に変換する高効率性で低燃費を実現。

(4)加熱が早く、調理時間が短縮できる。

(5)食材を焦がすことなく、カラッと揚げることができる。

同社のIHフライヤーには現在6機種がある。MSF‐18N(油量21リットル)の外寸はW450×D600×H800mm。

▽問い合わせ=ニチワ電機(株)東京支店(電話03・5645・2691)

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