この一品が客を呼ぶ・大阪:「冷麺館 生野本店」冷麺館
在日コリアンが数多く住む、大阪市生野区にある「冷麺館 生野本店」。韓国冷麺の専門店として、幅広いファンを持つ人気の店だ。とくにこれからの季節は、うまい冷麺を求める利用客で、売上げも急上昇。創業から17年、本店以外にも、直営店3店舗とFC店1店舗を展開し、地域以外でも冷麺パワーを発揮している。
透明な麺と歯ごたえ、味わいのあるスープが魅力の韓国冷麺。しかし、焼き肉のシメとして食べるイメージがあるため、1杯から食べられる店は少ない。「もっと気軽に食べられる店を」という発想から誕生したのが、「冷麺館」だ。
看板メニューの「冷麺」850円は、オーダーを受けてからこねる手打ち麺と、スープのおいしさがウリ。夏場の利用客の7割は注文するという、店の自慢の一品だ。
大きな器でドンと出てくる冷麺は、存在感たっぷり。トッピングは、キムチ、蒸し豚、ゆで卵、キュウリ、リンゴ(夏はスイカ)、錦糸卵、ネギで、その場でハサミで麺をザクザクとカットしてくれる。スープも多くボリュームがあるが、最後の1滴まで残さず平らげる人も多いとか。
麺は、適度な弾力の食べやすい硬さ。客数が多いため、7割は麺打ち機で、3割を人手で打って仕上げるという。
スープのベースは牛骨で、ゲンコツから出るうまみにこだわって作られたもの。スープそのものはさっぱりした味だが、トッピングのキムチの酸味と好みで掛ける酢が加わることで、より味が締まりおいしさがアップする。氷を加えず、常にキンと冷えた状態のスープを出すこともこの店のこだわりだ。
ランチタイムには、ビビンバおにぎりとキムチ付きの「冷麺定食」(900円)も人気。また、サツマ芋の粉で作る、激辛の「ビビン麺」(900円)も好評だ。
「地元での評判を大切に、韓国冷麺のすそ野を広げていきたい」と、代表取締役の春山宗治さん。冷麺の認知度アップの活動にも、積極的に取り組んでいきたいと言う。
◆「冷麺館 生野本店」(大阪市生野区中川2‐7‐11、電話06・6758・5574)営業時間=午前11時30分~午後10時、木曜定休(7・8月は無休)/席数=54席/1日食数=約400食
◆食材の決め手:「冷麺用そば粉」 綿利そば製粉(大阪府堺市)
韓国冷麺は、そば粉を主体に作るもの。そばの、白い芯の部分をひいた粉から作られるため、日本そばとは趣の違う透明な麺が出来上がるという。
この店では、冷麺に適した上質なそば粉として、創業当時から、綿利そば製粉の「冷麺用そば粉」を使用。店の味を支える、欠かせない商品となっている。
麺の仕上がりは、気温や湿度により違ってくるため、その時々で微妙な調整が必要とか。そば粉と手打ちならではの工夫で、独特の麺が作られる。
神戸・三宮の中心地にあるさんプラザは、パスタの激戦区。近隣には何軒ものパスタの店があり、個性を競っている。そのなかで、お手ごろなセットメニューで人気を集めているのが「デルパパ さんプラザ店」だ。子ども部屋をイメージしたという明るい店内と、低価格ながら豊富なメニューが女性ファンの心をつかんでいる。
「パスタやピザがメーン。手ごろな料金設定で、若い人たちに気軽に来てほしくて」とシンエーフーヅ第三営業部部長の池田善紀さん。客の99%は女性で20~30代が中心。オープン10周年を迎え、子ども連れのファンも多くなった。
人気は昼のパスタセット。パスタとミニサラダ、ドリンクにバゲットで740円(バゲットなし640円)とお手ごろ価格だ。
自慢はメニューの豊富さ。パスタは6種類から選べ、2週間ごとに内容が変わる。「メニューはコックの提案が多いが、若いアルバイトの意見も取り入れています」と池田さん。
取材時のメニューのひとつ、「貝柱ときのこのウニクリーム」は椎茸などキノコやボイルした帆柱が載った一品。クリームソースは、フレッシュな生クリームをふんだんに使い濃厚な味わいだ。
「ほかのソースも味はしっかりめで、たっぷりサーブ。少ないと物足りないでしょう?」
さらにソースのクオリティーは落とさない、麺はゆであげと、基本は手を抜かない。
パスタ激戦区のなか、周辺で最初にパスタ&パンのセットを取り入れるなど、チャレンジ精神は旺盛。現在は午後3時~5時に、一人980円の「スイーツオーダーバイキング」を実施。期間限定だが好評のため延長も検討中とか。
今後はイタリアン全般にメニューを広げる案も。「本物の味を取り入れたい。デザートのティラミスは、すでに本場のレシピで作っています」と池田さん。今後はワインの品ぞろえを増やすことも考えている。
◆デルパパ さんプラザ店(神戸市中央区三宮町1‐8‐1‐41、さんプラザビル内、電話078・391・3161)営業時間=午前11時~午後8時30分、無休/席数=56席/1日食数=約60食
◆食材の決め手:「ベルトーリ・エキストラヴァージン・オリーブオイル」 モンテ物産(株)(東京都渋谷区)
食材のなかで、特にこだわりがあるのはオリーブオイル。この店では「ベルトーリ・エキストラヴァージン・オリーブオイル」を使用している。
「これまで、いろいろなメーカーのものを使ってみましたが、香りの高さでこれに落ち着きました」と池田さん。なめらかで、素材へのなじみが非常によいところも愛用する理由だ。
オリーブオイルはサラダなどにも使っているため、納得のいくものを使っていると言う。