ミツカンが新提案 ポスト・ジンギスカンはラムしゃぶ
(株)ミツカングループ本社(愛知県半田市、電話0569・21・3331)は、ラム肉を使ったしゃぶしゃぶ(ラムしゃぶ)の提案でしゃぶしゃぶのたれの需要拡大、売上げ回復を図る。10月28日に東京本社で開催した「食のフォーラム21」で中国の羊肉鍋「〓羊肉(シュワンヤンロウ)」を紹介。味付ぽん酢でも狙いを絞ったメニューを提案し、鍋物市場を活性化する。
ミツカンは羊肉の主産地である北海道で「冬はラムしゃぶ、夏はジンギスカンのたれ」(広報室)として以前からクロスMDを推進。ラム肉は近年、外食店でブームとなり、取扱う小売業も増加傾向にある。全国的な需要の高まりにこたえ、しゃぶしゃぶのルーツと言われる〓羊肉でラム肉との相性の良さを訴求。ラムしゃぶのスムーズな浸透を促す考えだ。
〓羊肉はラム肉と白菜などの野菜を干し貝柱のスープでしゃぶしゃぶし、練りごまベースのたれで食べるという中国・北京の定番メニュー。北京出身の人気料理研究家、ウー・ウェン氏の調理による同鍋は、フォーラムに集まった生活情報誌、一般紙記者に好評を博した。
ミツカンは、しゃぶしゃぶのたれとして市場のトップブランド「ごましゃぶ」を擁するが、売上げは一連のBSE騒動で全盛期から半減している。「今期メーンとして提案するのは安価な豚肉使用でヘルシーな『豚菜しゃぶ』、簡単調理の『蒸ししゃぶしゃぶ』」(広報室)だが、ラム肉を含めた多彩なメニュー提案で盛り返す考え。
なお、米国・カナダ産牛肉の輸入解禁は12月とみられるが、「本格的な流通はまだ先。親族の集まる年末には高価な国産牛肉が動く。店頭POPの『豚菜しゃぶ』の裏面には牛肉メニューを記載し、高級感のある新商品『ごましゃぶ金ごま仕立て』で対応」(同)するなど、きめ細かな施策を行う。
そのほか、味付ぽん酢は汎用メニューの活性化とともに“家族にウケる”鍋訴求に注力。基幹商品「味ぽん」は「好みの薬味で、マイ味ぽん」として、おろしニンニクや温泉卵などを加え、家族それぞれでの楽しみ方を提案する。濃縮タイプの「かおりの蔵」は、大人・高級な鍋向けの設計をアピール。それぞれ単体でのテレビCMを投下するほか、雑誌広告など、さまざまな媒体で連動してメニュー定着を図る。