業務用加工食品ヒット賞・中華:パリパリの春巻(ニチレイフーズ)

2006.09.04 319号 8面

■中華部門:「パリパリの春巻」 (株)ニチレイフーズ

◆技術優位、シェア30%

中華カテゴリーを強みとするメーカーは多いが、その枠に収まらずダントツの存在感なのが、(株)ニチレイフーズの「パリパリの春巻」。発売以来10年にわたり技術の優位性を保ち続け、市場シェアは約30%。中華の代表的メニューでありながら、使われる業態や使い方を選ばないオールラウンド性も大きな魅力だ。

独自技術投入で皮の差別化に成功。「競合メーカーも研究しているだろうが、解明できない部分があるでしょう」と商品本部商品部調理品第二グループ。特殊製法により、時間が経過しても皮のパリパリ感が長持ちする。これが最大の評価ポイントで、業務用では類を見ないほどのブランド力を獲得しているゆえん。

「どのメーカーでも作れる商品ですが、皮の食感には潜在的な不満がくすぶっていたのが春巻きです。その悩みを解決できたところに評価が生まれました」(同グループ)

毎年じわじわと売上げを拡大するとともに、ユーザーの支持も定着。業務用では珍しい“指名買い”メニューとして定番化した。

多様な販路の広がりが「パリパリの春巻」の“強さ”を物語る。主力は量販惣菜と弁当ルートだが、給食関係でも学校・事業所の2大ルートに加え宅配給食なども網羅。サービスエリアなどの外食筋にも利用が広がっている。いずれのルートも事前調理が効率上必要。そこで店舗やユーザーが求めるパリパリ感の持続が、業態を選ばない強さの源泉となっている。

今秋には皮の品質はそのままに、バラエティー商品の「春巻35g」3アイテム(麻婆茄子、きのこ、チンジャオロース)を投入した。既存のチーズやチリソースを含めたNB春巻アイテムはこれで全11品に。メニューに変化をもたせ、より安定的な売上げを狙っている。売上げ比率で他を圧倒するのはベーシックモデルの「パリパリの春巻」。リニューアルにも余念がなく、今春には中具のタケノコを増量し、豚肉の使用でうまみを向上した。こうした取り組み全体として、「冷凍春巻きの市場自体を拡大できるよう、売場のなかで春巻きの重要性をさらに高めたい」考え。

今後、定番のさらなる強化を必要視している。「もっとおいしく、歯切れよく、具材感のある、満足度の高い春巻きづくりのためのプロジェクトも進行中」という。

規格・入数=「パリパリの春巻」350g(10本入り)/6袋×4合、「春巻35g」3品(麻婆茄子、きのこ、チンジャオロース)350g(10本入り)/6袋×4合。(いずれも調理方法は油ちょう)

◆パリパリ食感に圧倒支持

時間が経過しても皮のパリパリ感が長持ちする。これが最大の評価ポイントであり、業務用では類を見ないほどのブランド力を獲得している

◆春巻きの定番化に貢献大

主力は量販惣菜と弁当ルートだが、給食関係でも学校・事業所の2大ルートに加えて宅配給食なども網羅。高速SAなどのレジャー外食筋にも拡販している

◆専門店でも舌を巻く品質

発売以来10年間にわたり技術の優位性を保ち続け、市場シェアは約30%と他を寄せつけない。使われる業態を選ばないオールラウンド性も大きな魅力

◆冷めても美味は真の実力

「冷めると皮がへたれる」という従来の春巻き(業務用冷食)のイメージを一新。弁当、惣菜市場では、簡単調理(油調)の単品勝負で存在感を発揮している

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