メニュートレンド:ビッグサイズの高級うどん 「饂飩倉」

2006.11.06 321号 1面

大阪は門真市の「饂飩倉」(うどんぐら)は、うどん好きに大評判の店。駅から遠い郊外型の店でありながら、週末はもちろん平日でも行列ができることがしばしばという。この店のうどんの特徴は、驚きの量と高価格。うどん店の常識では考えられないスタイルで、年商は1億1000万円を超えるという。

うどんは直径約30cmもある丼でドンと出てくる、圧倒的な大きさだ。饂飩倉のメニューはどれもビッグ。メニューは600円の「きつねうどん」と「わかめうどん」からあるが、一番人気は1850円の「肉天」だ。

「最初は手軽な価格のきつねうどんを頼む人が多い。でも、周りで食べている肉天を見て、次はこれをと思うようですね」と倉岡大祐店主。値が張っても納得できる量と質を考え、開店当初からビッグサイズで提供しているという。

肉天は、甘辛く炊いた肉と大ぶりのエビ天2尾に、たっぷりのネギをトッピング。うどんの姿が隠れるほど、大きな丼一面に具がのせられている。肉は中級の上クラスの和牛、エビは海水養殖産など、こだわりの素材を使用。肉のうまみとエビのプリプリ感がたっぷり楽しめるパワフルな印象だ。

うどんも1玉250~270gと一般的なうどん店よりも多め。自家製の手打ち麺は、麺自体に味わいとコシが感じられる。あえて足で踏まずに手でもみ込み、1日寝かせることで塩水と粉をなじませるという。

大阪のうどんは、まずだしのおいしさが決め手となる。店では、大阪人の口に合う、少し甘めの味わいに仕上げている。看板には「あごだしうどん」とあり、だしの素材には、五島列島のアゴ(トビウオ)を使用。以前は、鹿児島・阿久根のイリコ、枕崎の鰹節、天然のラウス昆布などでだしをとっていたが、昨年アゴを加えたことで、より奥深い味に仕上がったという。

徹底した現地主義で、現地に出かけて納得したものを、そこから直接送ってもらうという。4~5年でだしを見直して味を追求しているとか。

「利益からではなく、お客の身になって考えること。まず、お客を愛する心が大切」と倉岡さん。「おいしいうどんを提供したい」という探究心が、高くても納得できる味を生み出しているようだ。

◆「饂飩倉」(大阪府門真市上野口町59‐20)開業=1978年4月/営業時間=火曜~金曜午後5時~午前2時、土・日・祝日正午~午前2時、月曜定休/坪数・席数=13坪・カウンター18席/客単価=1500円/1日来店者数=平日180人、休日350人/平均月商=約920万円/スタッフ数=3~5人

◆人気メニュー(価格・1日食数)

●1位「肉天」(1850円・約60食)=甘辛く味付けた肉とエビ天2尾に、たっぷりのネギ入り。見た目も豪華な看板メニュー。

●2位「肉天とじ」(2000円・約60食)=肉天を卵2個でとじたメニュー。

●3位「梅わか」(900円・約40食)=塩分8%の南高梅と鳴門ワカメをトッピングした女性に人気のヘルシーうどん。

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