メニュートレンド:米国デンバー発ファストカジュアル急先鋒「クイズノス・サブ」

2006.11.06 321号 2面

“ファストカジュアル”業態が定着したアメリカで、現在急成長中の「クイズノス・サブ」日本第1号店が先月、東京の銀座マロニエ通りにオープンした。オーダーを受けてから具をはさみ、トーストするというツーオーダー方式のホットサンドイッチの価格帯は480~650円(単品)。低価格競争を経験したばかりの日本の消費者に、果たしてどのように訴求していくのだろうか。

全世界で平均14時間ごとに1店舗の割合で新店がオープンしているという「クイズノス・サブ」。同店は、アメリカ・デンバー近郊のイタリアンレストランのシェフが考え出した「クラッシックイタリアンサブサンド」に由来する。このメニューを使った「クイズノス・レストラン」が1981年にオープンすると、独自に開発したパンと、肉や野菜といったフィリング(具)のクオリティやボリューム、そして従来のサンドイッチとは異なるトーストしたサブサンドといった特徴が評判を呼び、1987年にフランチャイズ事業がスタートした。

アメリカ本国のフランチャイザーである、クイズノス・フランチャイジング・エルエルシーの代表者、リー・バラ氏は、全世界で5000店以上という店舗展開について、「地域の特性に合わせること、そしてよきパートナーを得ることが不可欠である」と言う。

今回の日本での展開でも、地域の特性に関しては、「タマゴ・サブ」「テリヤキチキン・サブ」といった日本独自のメニューを加えている。また、このクイズノス・サブを日本で展開するパートナーの(株)ヒガ・インダストリーズ(東京都千代田区)は、「ドミノ・ピザ」で宅配ピザを日本に紹介し、新しい食文化を浸透させた実績を持つ。

クイズノス・サブの日本国内での商品構成は、14種(うち3種は日本オリジナル)の「トースティグルメ・サブ」、6種の「グルメ・サラダ」、季節のスープをはじめ常時4 種類ある「グルメ・スープ」、デザート、ドリンク。

トースティグルメ・サブは、ベースとなるパンを、ホワイトまたはウィート(小麦胚芽パン)から選べる。メーンのフィリングであるローストビーフ、ハム、チキンなどは、専用大型スライサーを使用して店舗でカットする。あらかじめ工場でスライスされたものと比べ、風味の豊かさが断然勝るという。また、チキンなど肉厚があり味が淡白な食材は、オーブンに入れる直前にスープにくぐらせて、うま味を存分に引出すと同時に味付けをするなど、ひと手間を惜しまない。

そして、トーストするオーブンには客側からの覗き窓があり、約60秒かけてパンがこんがりと焼かれ、チーズがとろけていく様子を見ることができる。「おいしそう」という期待感は高まるばかりだ。

(株)ヒガ・インダストリーズのアーネスト・M・比嘉社長は、「5年間で100店舗以上展開し、いずれは、クイズノスで上場を目指したい。ドミノ・ピザとのジョイントも視野にある」という。

この第1号店のような路面店はもちろん、キオスクタイプやフードコートタイプなど、クイズノスの店舗には立地に合ったさまざまなスタイルがある。地域性に合わせた出店が可能であることは、上場を視野に入れた同社の戦略を後押しすることになるだろう。

◆「クイズノス・サブ 銀座マロニエ通り店」

経営=(株)ヒガ・インダストリーズ/店舗所在地=東京都中央区銀座3─7─2/開業=平成18年9月/営業時間=午前7時~午後10時/坪数・席数=40・25坪・67席/客単価=700円/1日来店客数=500人/平均月商=1000万円/スタッフ数2~8名/初期投資=4000万円以下を想定。

◆人気メニュー(価格)

1位「トラディショナル・サブ」(R580円、L1130円)=クイズノス伝統の味。ローストビーフ、ターキー、ハムの他、野菜、チーズとさまざまなフィリングが楽しめる。

2位「クラッシックイタリアン・サブ」(R580円、L1130円)=トマトやオニオンなどたっぷりの野菜、毎朝スライスするハムなどを、あっさりとした赤ワインビネグレットドレッシングでまとめている。

3位「ローストビーフ・サブ」(R650円、L1270円)=ローストビーフとレタス、グリーンカール、トマト、ハーブスパイス、マヨネーズのシンプルな味わいが人気。

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら

関連ワード: メニュートレンド