セブン-イレブン、全店で配食サービス実施 女性・高齢客を囲い込み
(株)セブン‐イレブン・ジャパン(本部=東京都千代田区、電話03・6238・3743)は、配食サービス(運営=(株)セブン・ミールサービス)を10月から全店に拡大した。今期から簡便性を高めた生鮮・調味料セット「かんたんクッキング」を加え、30~40代の有職女性の取り込みを狙う。店を配達の拠点とするサービスモデルに転換して3年目を迎え、サービスの周知徹底、既存会員の利用促進で女性・高齢者を囲い込む武器に育てる。
(株)セブン・ミールサービスは00年9月、埼玉県を皮切りに配食サービスを開始した。当初は注文商品を宅配便(ヤマト運輸)で届けていたが、04年6月から店でも受け渡しと宅配をする仕組みに変更した。店は売上げ・宅配料(1件200円)が加算されるため“御用聞き”の奨励と相まって関心が高まっている。
現在、利用者の50%以上は最寄りのセブンイレブン店まで取りに来る。宅配料が1件200円必要なこともあるが、店が散歩のついでに立ち寄れる身近なところにあることが大きい。登録会員は約10万人。年代別構成は50~60代63%、30代と40代が各15%、その他7%。多い店は1日20~30件の注文を受ける。宅配は1件1000円以上が条件ということもあり、平均単価は1900円と高い。
3月から「かんたんクッキング」メニューをそろえた。約2人前のカットした野菜や肉、魚、専用調味料を詰め合わせたもので八宝菜、肉じゃが、鍋物など10~15分で仕上がるメニューが中心。「以前は2~3人前が主流だったが、1~2人前にした。単価は下がったが、購入頻度がアップした。30代、40代の購入が多い」(石塚光男セブン・ミールサービス営業部マネジャー)と、客層拡大に成果をあげている。真空パック商品「ごはんの友」も増やした。消費期限1~2日の商品が多い中、賞味期限15~20日の煮豆、ヒジキ煮やきんぴらゴボウなど常備食メニューを充実させた。
売上構成比は惣菜関係40%、食卓の逸品300%、日替わり弁当20%、かんたんクッキング10%。惣菜関係は「おまかせ6日間メニュー」(月~金曜の日替わり惣菜セット)がけん引している。毎日注文する手間が省け、栄養バランスの良い食事が取れることが人気の理由だ。食卓の逸品はセブンイレブン店では扱っていない和・洋・中デザート、パン、乳製品、飲料などの厳選商品。雑貨の取り扱いも検討中だが、供給体制など課題解決が前提条件だ。
取り扱い商品の供給は、既存のセブンイレブン向け米飯工場、配送拠点を活用している。「増加する高齢者に対応することで、売上げは伸ばせる。セブンイレブンのインフラを使うことで低コストで事業拡大ができることが強みだ」(同)と言う。取引先の工場の生産効率、配送車の稼働率も高まる。
全国展開を機に、同サービスを加盟店に周知徹底し、新規会員の獲得と既存会員の利用促進に弾みをつけたいところ。御用聞きサービスで日販4~5万円を稼ぐ店もある。配食サービスが加わり、生鮮需要にも対応できる体制が整った。加盟店の攻めの姿勢が右肩下がりを打破する力になる。