低コストにこだわる必勝居酒屋メニュー(その5)イカ
イカは日本人が最も多く食べる魚介類で、その種類は多く、味わいもそれぞれに異なり、調理法もまた多岐にわたる。なかでもスルメイカは、最も親しまれている食材であり、原価的にも活用しやすいもの。
居酒屋メニューの定番としては、刺身から塩辛、焼きイカといったものが主力だが、イカのクセのない味と、独特の食感を生かせば、もっとさまざまな活用ができるはず。また、世界的にもポピュラーな食材であることを考えれば、近くは韓国、中国、香港から、欧米、アフリカまでイカを使った料理、ユニークな食べ方は多種多様。焼きイカではそれほどの付加価値は付けられないが、それが韓国風やイタリア風としてアレンジすれば新しいイメージが生まれ、価格もとりやすい高付加価値メニューが作れる。
和風にしても、ワタとともに醤油焼きにした「ゴロ焼き」や、「沖漬けのルイベ」などの郷土風の食べ方は全国にあり、つまみ料理として応用できるものが多い。
素材として注目したいのは、このスルメイカの下足(ゲソ)だ。食材としてはダブつき気味であり、きわめて有利な価格で入手できる。独特のコリコリとした食感は本身よりも好きだというお客もいるのだから、ひと手間加えて新商品を考えたい。
◆イカのジェノバ風サラダ
■参考原価=180円
■使用食材(1人前)
スルメイカ(1パイ)トマト(スライス30g)アボカド(スライス30g)ベビーリーフMIX(5g)サラダソース(バジリコ1g、松の実5g、おろしニンニク2g、アンチョビペースト3g、レモン汁5ml、オリーブ油15g、パルミジャーノチーズ粉2g、塩0.3g、黒コショウ0.08g)
■調理法
(1)スルメイカは胴と足を抜き、皮をむいてリングに切る。
(2)(1)を軽くボイルし、冷水にとって冷やし水気を切る。
(3)材料を合わせたサラダソースと(2)をあえる。
(4)皿にベビーリーフMIX、アボカド、トマト、(3)を盛り付け、残ったサラダソースをかける。
■メニュー開発のコンセプト
軟らかくボイルしたスルメイカをバジルとニンニクの香りを効かせたジェノバ風サラダソースであえた、あっさりとしながらもコクのあるおしゃれなサラダメニュー。
■応用のヒント
サラダソースの材料をすべてミキサーにかけて、ペーストにして使っても良い。
◆イカのコチュジャントマトステーキ
■参考原価=170円
■使用食材(1人前)
スルメイカ(1パイ)ホールトマト(刻み40g)白菜キムチ(刻み20g)MIXチーズ(20g)パセリ(みじん1g)コチュジャン(8g)砂糖(2g)醤油(5ml)ごま油(6g)サラダ油(8g)
■調理法
(1)スルメイカは胴と足を抜き、中を掃除し、1cm幅の切れ目を入れる。
(2)サラダ油で(1)の両面を焼き、取り出す。
(3)取り出した後に白菜キムチ、ホールトマト、コチュジャンを炒め、砂糖、醤油、ごま油で調味する。
(4)鉄皿に(2)のスルメイカをのせ、(3)をかける。
(5)MIXチーズをのせ、チーズが溶けるまでオーブンで焼く。
(6)パセリを散らす。
■メニュー開発のコンセプト
スルメイカを1パイ丸ごと使用したボリューム感と、キムチとコチュジャンの辛み、チーズのマイルドさが一体となったコクのあるおいしさが特徴のつまみメニュー。
■応用のヒント
スルメイカの足を胴体に詰め込んで使用するのも良い。