メニュートレンド:ウナギとゴボウの郷土丼「ぼくめし丼」 「丼・小松屋」

2007.07.02 330号 2面

大阪・淀屋橋にある「丼・小松屋」は、ランチタイムにビジネスマンでにぎわう丼専門店。看板メニューは、ウナ丼をアレンジした、「ぼくめし丼」500円である。大阪では聞きなれないメニュー名とともに、ワンコインで食べられる丼として注目を集め、オープン以来好調に客数を伸ばしているという。

「ぼくめし」とは、浜名湖地方のウナギ漁師が、まかないとして食べたのが発祥という郷土料理。ウナギにゴボウを合わせているのが特徴だ。大阪では、ウナギといえば、ウナ丼が一般的。まず、ぼくめし丼というメニュー名に興味をそそられる。

「単純にウナギだけでは面白くない。ぼくめしを商品として加工している知人から、その存在を聞いたことで、丼メニューにと考えました。ぼくめしをきっかけに、他のメニューも知ってもらうのが狙い」と、運営するワークシェアサポート(株)代表の大松浩弓さん。

ぼくめし丼の具は、刻んだウナギとゴボウを甘辛く煮込んだもの。中国産の日本種ウナギを、国内工場でチェック・加工し、ゴボウと合わせて小松屋用の特注の味にアレンジ。具は1人前ずつパックされているため、職人要らずで簡単に提供できる。

また、ポイントは、ワンコイン500円という価格設定。ぼくめし丼には、サービスでアサリの赤だしも付き、ランチタイムのサラリーマンやOLにアピールする値ごろ感がある。具は、たれも含めて120g、ご飯は約250gで、ボリュームもあり。カウンターには、ウナギのたれも用意され、お客が自由に味を調節できるのも特徴である。

さらに、ご飯のうまさも人気の秘密だ。国産米を店内のガス釜で炊飯し、保温は湯せんでする、おひつタイプの器具を使用。このスタイルで保温することで、コメの乾燥を防ぎ、常に炊きたてに近い状態で提供できるという。

「この店は、多店舗展開をするための試験店でもあります。昨年のオープン以来、売上げは上昇中で、お客のほとんどがリピーター。女性客も3~4割を占めています。ここでの反応を踏まえ、他地域への出店も考えたい」。ぼくめし丼だけではなく、海鮮丼メニューにも定着したファンが増加中という。同社では、すでに、トロ丼の専門店も展開中で、こちらも好調とか。今後は、洋風メニューの開発も考案中とかで、新たな丼の専門店の登場にも注目したい。

◆「丼・小松屋」/店舗所在地=大阪市中央区北浜3─5─29、ネクスト1よどやばし地下1階 電話06・6227・4158/開業=2006年8月/営業時間=午前10時~午後8時(日曜・祝日は7時まで)、不定休/坪数・席数=約5坪・12席/客単価=約600円/1日来店客数=平日約150人、日曜・祝日約50~60人/平均月商=約200万円/スタッフ=1~3人。※JR垂水店(ビエント垂水西館1館)もあり。

◆人気メニュー(価格・1日食数)

1位・「ぼくめし丼」(500円・40食)=赤だし付きでワンコインの、看板メニュー。

2位・「いくら鮭親子丼」(680円・35食)=イクラだけではなく、サケも特製のたれで漬けているのがポイント。あっさりしたおいしさで、人気度アップ。赤だし付き。

3位・「ねぎとろ丼」(600円・20食)=キハダマグロを使用して、ネギもたっぷり。赤だし付き。

4位・「まぐろ赤身丼」(500円・15食)=生のキハダマグロの切り身を、ご飯が見えないほどギッシリと。常連客のファンが多いメニュー。

5位・「きざみうなぎ丼」(500円・10食)=錦糸卵の上に、刻んだウナギをのせて。ウナギ好きに好評のメニュー。

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