メニュートレンド:吉野家がカレーうどんに本腰 「カレーうどん千吉」
カレーうどん市場が活気を帯びている。牛乳入りカレーつゆでブレークした東京・巣鴨の「古奈家」。その味はカレーの新定番として認知され、各地で模倣メニューが広がっている。また、大阪の「得正」、名古屋の「若鯱屋」がチェーン企業の指標とされる50店舗を突破。そして、吉野家グループの「千吉」が、ついに多店舗化へ乗り出した。カレーうどんが日常の単品業態として市民権を獲得できるか、牽引役の本命に注目だ。
「千吉」(13店舗)は、吉野家の手掛けたカレーFF「POT&POT」(25店舗)の撤退と入れ替えで新規事業化されたカレーうどんFF。「美味しさを五感で味わう」をキーワードに展開している。その五感とは、(1)香りで感じる「スパイス感」(2)耳で感じる「調理の奏でる音色」(3)目に映る「黄色いソースと葱の緑のコントラスト」(4)手で感じる「丼の温もり」(5)舌で感じる「口一杯に広がる香辛料」。
メニューは、「千吉カレーうどん」(ご飯付680円)を基本に、辛口、赤カレー、黒カレー、つけざる、トマト味などをラインアップ。また、いずれもミニライス付きで、残ったつゆにご飯を混ぜて雑炊風にする“千吉流”の食べ方を提案している。
「カレーうどんは非日常的メニューなので、客単価はカレー(POT&POT)の1・5倍(700~800円)。また、麺類はスナック感覚なので一日中ダラダラと客足が途切れず、女性客比率も40%と高い」と、(株)千吉の成瀬哲也社長。「初期投資1500万円以内、月商600~700万円、営業利益15%以上、投資回収3年以内のFCモデルを構築。非日常食を日常食として業態化できた」とし、3年後60店舗を目指している。
また、「千吉」のほか、同じFF業態で「名代千吉」と「伍郎蔵」をサイドブランドとして試験出店しており、これら3業態の業績を踏まえ、強固な業態構築を進める考えだ。
「千吉」/企業名=(株)千吉/本部所在地=東京都中央区日本橋馬喰町1─5─8 吉野家馬喰町ビル5階