業務用加工食品ヒット賞中華:創味食品「創味 鶏がら醤油ラーメンスープ」
つゆのうまみに定評のある(株)創味食品(京都市伏見区、電話075・612・3333)は昨秋、「鶏がら醤油ラーメンスープ」を発売した。新鮮な鶏がらスープをベースに、野菜の風味が豊かな香味油をバランスよく加えた。ラーメン専門店だけでなく、お湯割りが主流のフードコートや産業給食関係で圧倒的な支持を受けている。
創味といえば、中華調味料「シャンタン」、和風調味料「創味のつゆ」「そばつゆ」、ラーメンスープ「北の味噌」「屋台の白湯」など、プロから厚い信頼を得るヒット商品を世に送り出してきた。だが、意外にもシンプルな醤油ラーメンスープがないことに同社開発部が注目。薄味傾向にある市場ニーズに向けて、同製品を提案した。
開発のポイントは、(1)お湯割りが一番おいしい(2)鶏にこだわったチキンスープがベースのオーソドックスな味(3)透明感のあるスープ(4)食欲をそそる香り、の4点。
最大の特徴は、単純なお湯割りでも野菜と鶏の香りが前面に出るよう開発した香りのよい香味油。厳選した鶏がらから取った風味豊かなスープをたっぷり配合し、あっさりと飽きのこない醤油味に仕上げた。お湯割りはもちろん、スープで割ったり、一手間かけると個性豊かな味わいも出せる。さらに生麺と冷凍麺のどちらにも対応する汎用性も持つ。「奇をてらわないシンプルさが受けた。まとまりがよく、万人受けする味になった」と開発担当者。また、風味豊かな香味油がスープの上に膜を張り、冷めにくいことも特色のひとつ。
山田亮社長が常々、「安全・安心でおいしいものを作り、一時的な流行は追わない。開発・研究には時間がかかるが、おかげで廃盤商品はほとんどない」とするように、同製品も試作と試食を重ね、最終段階から数ヵ月間かけ完成した。シンプルな醤油ラーメンへの要望が多かった営業マンにも意見をもらい、グレードは高いが低価格に抑えた商品が誕生した。発売から1年足らずでの受賞も、グレードが高く使いやすいが、お値打ち価格であることも大きな要因のようだ。
既存商品から新製品への変更が難しいとされる業務用市場で、特に醤油ラーメンはシンプルだからこそ各店の特徴が直に出るため、使い慣れたメーカー商品からの切り替えは少ない。飽和状態のラーメン市場で、シンプルさと品質の良さが受けた同商品は着実に市場で浸透し始めた。つゆ提案のパイオニアとして同社では、今後も新しい視点と切り口から商品開発に努める。
同製品は醤油ラーメンとして開発されたが、スープや中華丼への汎用性があり、パスタソースや野菜炒めに使用しても美味と、さまざまなメニューに活用されている。
商品規格は長期間風味を逃さず、使用後の廃棄も簡単な1kgアルミパウチ入りで、1ケース10パウチ入り。
●鶏がら醤油ラーメン
作り方/(1)本品30mlを300mlのお湯またはがらスープで薄める(倍率11倍)。(2)たっぷりのお湯で麺をゆで、器に入れてお好みの具を盛り付ける。
●春雨と鶏肉団子のスープ
作り方/(1)本品10mlを240mlのお湯で薄め、鶏肉団子、春雨、ニンジンなどを加えて煮る(倍率25倍)。(2)火が通ったら溶き卵を加えてとじる。
●あんかけラーメン
作り方/(1)本品30mlを330mlのお湯で薄め、水溶き片栗粉(大さじ2~3)を加えてとろみを付ける(倍率12倍)。(2)たっぷりのお湯で麺をゆで、器に入れてスープを注ぎ、蒸し鶏や白髪ネギなどの具、薬味を盛り付ける。
●中華丼
作り方/(1)本品20mlを250mlのお湯で薄め、沸騰したらお好みの具材を入れて火を通す。(2)水溶き片栗粉を加えてとろみを付け、ご飯の上に盛り付ける。