飲食店成功の知恵(28)開店編 オープン当日の注意点

1993.08.16 34号 17面

《オープン前に休養を》 最初に、オープン三日前当たりで一日、完全休養日を取ることをお勧めする。飲食店というのは、いったんオープンしたら、そうそう休むわけにはいかない。最低でもオープン後一カ月間は無休が原則。お店が軌道に乗るまではと、一年、二年も年中無休で頑張っているお店も少なくないが、やはりそれくらいの覚悟はしておくべきである。せっかく足を向けてくれたのに本日休業では、そのお客は二度と来てはくれないと考えた方がいい。

だから、オープン前の休養日はぜひとも必要なのである。開店準備の仕事は実に数多く、細々とした事柄も多い。しかもそれを、限られた短期間の間にこなさなければならないのだから、オープン直前の時期ともなれば、心身ともにかなりの疲労がたまっているはずである。特に初めて開業する人は、何をするにも不慣れな分だけ、余計に疲れる。

健康上の問題ばかりではない。開業準備の疲労を引きずったままオープンしても、ろくなことはない。いったんオープンしたら、疲れているからといってお客に言い訳することは許されないのである。少々しつこいようだが、たった一日を惜しんだがために、つまらないミスを重ねて、出足をくじかれてしまった前例はいくらでもあるのだ。

さて、オープン当日の話に移ろう。

ここで一番大事なことはやはり、時間的に余裕を持って臨む、ということだ。なにしろ店主をはじめ従業員も全員、このお店の仕事には不慣れな状態なのだ。そのために最低一週間はプレオープニング期間としてトレーニングを積まなければならない、というのが私の持論だが、それでもやはり、練習と本番とは違う。人間、慌てれば慌てるほど、モノは忘れるしミスも犯しやすくなるものだ。

だから、少しでも心にゆとりを持つために時間的余裕だけは確保するわけだ。具体的には、仮に午前11時のオープンとしたら、朝八時には全員、お店に集合すること。平常営業になれば10時に来ても間に合うが、二時間早く準備を始めることで、慌てずに済むための貯金をしておくのである。

《料理は多めに仕込む》 時間にゆとりを持つということは、オープン当日は、最低限度の仕事量で回転するようにしておく、ということだ。

まず、最も大事なのが、料理の仕込み。当日は、かなりの混雑が予想される。むろん、そうでなくては困るのだが、料理に関しては前日にその分を考えて完壁に仕込んでおけば、間違いはないはずだ。お客が来てから頑張ればなんとかなる、などという甘い考えは通用しない。そのためにも、当日分の材料は多めに注文して、品切れなどを起こさないようにしておかなければいけない。

一方、サービス面では、簡単な接客マニュアルの再チェックをしておく。基本の接客用語を全員で、大きな声で復唱し、もう一度、注文の取り方、伝票の書き方などをおさらいしておく。特に、料理無料とか半額券といったオープンサービスを実施する場合は、その内容を再確認しておく。記念品についても同様だ。そして、オープン一時間前には全員で最終ミーティングを行い、お互い頑張ろうと励まし合おう。飲食店の仕事はすべからく、チームワークなのだから。皆の気持ちが通じ合っていれば、コトもスムーズに運ぶ。

その他、ボールペンやお店の印鑑、領収証といった小物類は、ごたごたするとつい準備を忘れてしまいがちだから要注意。すべての準備は前日までに、が鉄則である。

それと清掃。オープン前は人の出入りが多く、意外とホコリがたまる。飲食店のオープンは、華やかさと清潔感が大事。当日の朝、もう一度清掃をして、お客を迎えよう。

フードコンサルタントグループ

チーフコンサルタント 宇井 義行

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら