飲食店の敵『ゴキブリ』繁殖期は目前 早急に徹底駆除を

1994.04.18 50号 8面

ゴキブリは、近年の都市のすぐれた建築物の増加に伴ってなお一層増えてきた。建築内の温度の変化が少なくなり、越冬場所が確保されてきたためである。人が住みよくなったのが、ゴキブリにも住みよくなったのである。ゴキブリ駆除には環境面からの対策がなく、今のところ殺虫剤による方法しかない。今回はゴキブリのうちでも、もっとも飲食産業に害をあたえるチャバネゴキブリについてしらべてみた。

チャバネゴキブリは、ホテル、レストラン、飲食店によく見かける一五mm位の黄褐色で胸部と脊面に二本の黒色の縦じまがあるのが特徴である。

ゴキブリの卵は、卵鞘(らんしょう=卵の入ったケース)に入っており、雌は孵化するまで二〇日間も腹部の端に付けたまま歩き回っている。卵鞘のなかには三〇~四五位の卵が入っている。

他のゴキブリと比較すると数は多く、成長期間は二ヵ月半ほど。他のゴキブリは一年もかけて成虫になることからみると、サイクルは早くて繁殖力はすさまじい。ゴキブリには、体内時計による自律的周期があり、夜半前に活動が始まり、夜中頃には活動のピークがみられる。食性は広く雑食性であるのも困りもので、排泄物や汚物に集まり、そして人の食物にも集まる。汚物に病原体が存在すればこれを運ぶ危険は大きい。サルモネラ菌を運んで、下痢症を流行させた事例も報告されている。

何よりもゴキブリは不潔感があり、飲食店ではゴキブリの食物への混入は勿論、はっているところを見付けられても保健所に通報されてしまう。保健所は各自の管理運営基準に従いゴキブリ駆除の確認記録をチェックしている。

ゴキブリの駆除方法は、残留噴霧、くん煙、粘着トラップ法があり、最近ではクリーム状薬剤が開発され注目をあびており、業者の施工により大きな成果をあげている。ゴキブリの撲滅はむずかしく捕獲はイタチゴッコといわれているが、飲食店はその社会的使命上注意を怠ってはならない。

現在最も有効な方法は、1短時間の接触効果が高い2残留性の大きい殺虫剤を選ぶことといわれている。散布場所を的確に選び、十分な量をまくこと。適正な処理が出来れば数ヵ月あるいはそれ以上の有効性が実証されている。

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