輸入米の実態を調査、JF、米国産に偏る人気
不作によるコメ不足で、外食産業は3月から本格的に輸入米を市場導入したが、4月中旬には九割強の企業で輸入米が使用され、また、半数の企業では使用量の五割以上が輸入米になっていることもわかった。輸入米使用では米国産米単独の利用割合が五割を占め、食糧庁の当初の供給計画である「中国、米国、豪州産あわせて五〇%、国産米三〇%、タイ産米二〇%」や、その後の放出状況と利用実態が異なり、米国産米に人気が偏る傾向がみられた。
これは、(社)日本フードサービス協会(JF=東京都中央区、03・3573・3231)が協会会員社を対象に、輸入米の使用状況などについて行ったアンケート調査によるもので、外食各企業が今回の輸入米をどう受け止めたかなどが明らかになった。対象企業二二〇社のうち一八三社から回答があった。
輸入米は一六七社(九一・三%)が既に使用していた。しかも、日常的に輸入米を五割以上使用している企業が九〇社に及び、使用企業の四九・一%を占めている。半面、一六社(八・七%)が一度も使用していない。「手持ちの国産米がある」「客が国産米にこだわる」「まずくて使えない」などの理由が目立った。
使用している輸入米の種類は米国産米五〇・九%、中国産米二一・〇%、豪州産米三・〇%、タイ産米二五・一%となった。食糧庁が実際に放出した輸入米の状況(表)を見ると、タイ産米が四九・八%、中国産米二五・八%、米国産米一八・九%、豪州産米五・五%となっており、使用輸入米は米国産米に偏りを示している。客の好みやニーズなどの面で米国産米を求めているものと思われる。
輸入米使用での苦労は「希望する国のコメが手に入らない」(二八・六%)、「調理・炊飯に苦労した」(一八・九%)、「短粒種と長粒種のブレンド物は味が良くない」(一五・二%)が目立つ。
また、自由意見には「輸入米が高すぎる」「ブレンド米の価格の決め方がスッキリしない」など、価格に対しての声が目立った。一方「輸入米(米国産)の継続した輸入を図り、米価の安定を目指すべき」「米国産や豪州産を単品で購入、安定確保出来る流通システムづくりはできないか」など、外国産のジャポニカ種については継続的に使用して食材コストを下げたいとする長期展望の声もあった。