ニンニク料理の繁盛店 「バラッカ」バスクの味に欠かせぬ食材
オーナーの清水尚さんが、その昔スペインを訪ねた際「ニンニク売りをアチコチで見掛けた」というほど、ニンニクは、スペイン料理には欠かせない食材。「うちのメニューで入れないものはなく、嫌いな人には、ハッキリいいます」という。
調味料の一つとして、隠し味として使うニンニクは、生では使わず、皮をむいたものをミキサーで刻み、オリーブオイルに漬け込み、きつね色に炒めて使う。一粒ずつ皮をむくニンニクは、一週間二~三キログラムを消費する。
オーナーが、たまたま知り合ったスペイン人シェフから「素材を生かした調理、煮込みは徹底してやり、見た目の華やかさは無いが、温かみのある」スペイン料理を知らされ、昭和57年に今までやっていた仏・伊料理からスペイン料理専門店「バラッカ」(東京都港区、03・3586・7033)に業態転換、今に至る。
スペインの地方ごとに独特の味がある郷土料理を五〇アイテムに絞り込んだメニュー。
「オリーブオイルをたっぷり使うので、他店よりも濃い目の味付け、大胆な味付け」と特徴づけている。
人気メニューは、マッシュルームセゴビア風一二〇〇円、マッシュルームにたっぷりのオリーブオイル、塩、コショウ、ニンニク、パセリみじん切りを炒め、白ワインかけしたもの。イカの墨煮一四〇〇円は、野菜、肉、チョリソなどを入れ一日煮込んだ墨ソースを漉し、塩、コショウ、ニンニク、サフラン、イカを加え煮込むバスク地方の代表料理。
その他、生芝エビパプリカ風味煮一三〇〇円、ニンニクスープ玉子入りマドリッド風六〇〇円など。いろいろ少量ずつ食べてもらうためにと小皿料理(タパス)を充実させているが、コース料理も三コース四六〇〇~八〇〇〇円を設けている。
客層は、若い女性がほとんどという時もあったが、年輩の男性客も増え、今は、男女半々。
「男性の口にも合った味と、法人宴会の流れが変わった」ことにもよると見る。10月のメニュー改訂では、価格見直しと同時に、三八〇〇円のコース料理も考慮中である。