風光緑空・オープンエア店舗 「ウッドペッカー・ザ・グローブ」英国感覚で
アンティーク業で名高い(株)ウッドペッカーは、アンティーク屋とオープンエアカフェの複合店「ウッドペッカー・ザ・グローブ」(東京都世田谷区、03・5430・3550)を展開している。店舗をオープンエアにすることで、店舗内の商品であるアンティークを道行く人にPRするのが狙い。カフェの来客者をアンティーク業の新規ユーザーとしても獲得している。
同店の出店コンセプトは、一般にはなじみの薄かったアンティークを親しみのある家具として広めること。従来のアンティーク屋は狭い入口に格式ばった店内が相場で、関心のあるユーザーだけを対象としたビジネスだった。オープンエアカフェとタイアップさせることで、堅苦しかったいままでのイメージを刷新、アンティーク家具の宣伝効果を発揮している。
実際に訪れてみると、どう見ても飲食店だ。「アンティーク屋と気付いて来るお客は皆無。家具についてたずねられた時のみ、インテリアコーディネーターとして店員がアンティークの営業上の提案をいたします」(上田誠マネージャー)
同店の月商は二〇〇〇万円を超えるが、この内約一〇%が飲食部門の売上げ。アンティーク業の新規ユーザーはほとんどがカフェの客からの流れで来ているという。一日平均の客数は約七〇人で滞在時間二時間以上はザラという。「あくまでもアンティーク業を基調としているため、回転率にこだわらない」というゆとりある姿勢が居心地の良さの要因だろう。
フードについてもアンティークの基調を前面に打ち出して、ハーブティーやホームメードケーキなどブリティッシュ感覚にまとめている。
本業へのこだわりを保ちながら複合店を成功させた同店の例は、オープンエアだけに限らず、飲食を有効活用した多角経営の一つとして捉えるべきであろう。
店舗概要は、五〇坪、二八席、午前11時~午後7時30分。無休。東急新玉川線三軒茶屋駅下車徒歩五分。