飲食トレンド 迫力のグルメ肉 ワニ・ダチョウ・カンガルー料理
肉料理の原点ともいうべき、野生の鳥や獣の野趣溢れる味わいは、「意外にイケる」と若者達に受け、パーティーでは、欠かせないメニューとなっている。しかし、自然の恵みにも限度があり、保護を受けている野生動物も多く、解禁時のみ狩猟可能となることもある。こうした中、オーストラリアのエミューは、ダチョウの次に大きい鳥だが、自然に近い環境保護のもと、飼育され、食用肉として輸出されている。このほか、ワニ、ダチョウ、カンガルーなどがアフリカ、アメリカなどから輸出されており、わが国へも安定供給され、レストランのメニューにも上っている。野生味豊かな味わいと話題性で、今年のクリスマス、忘年会パーティーでは、大きく羽ばたくことが期待される。
ダチョウに近いエミューの姿だが、意外にうまいという評判。
人工飼料や抗生物質を使わず、自然に近い環境で飼育され、高蛋白、低脂肪の肉。
「牛フィレの肉質。脂肪が少なく、サッパリした味わい」((株)ラス・スーパーフライ)とか、「赤味肉のため食べ易く、スモーク、味噌漬も合い、これからの季節には、すき焼き、しゃぶしゃぶとして利用できる魅力ある商品。ヨーロッパでは、かなり定着しているが、日本ではまだ馴染み薄。これからの食材です」((株)彩食)というのが、輸入元の評。
アフリカ料理を北から南まで幅広く展開する「ローズ・ド・サハラ」は、「ダチョウは、フィレに近い味。牛と同じ扱いをしており、説明されなければ気がつかない人が多い」(石井支配人)として、タタキ風、ステーキ、最近は冬場に向かいシチューも出している。
アフリカ南部ザイールでは、ワニを一部常食しているが、「アフリカ産ワニの供給がつかず、アメリカ産のアリゲーターを使い、カリフォルニア州政府と交渉し、直接買いつけをしたい」と意欲的。メニューも、くんせい風、唐揚げ、ナゲット、ステーキと多彩だ。このほか、ギニア産ホロホロ鳥の串焼きもある。
ジャングル風レストランの「ジャマイカンクラブ」は、「野鹿、ワニ、ダチョウ、カンガルーなどを使っているが、ワニは、ビールや重曹につけて肉を柔らかくする下処理をする」(石黒オーナー)煩らわしさがあるが、「思ったよりうまい」の声が多く、ジャマイカ料理と共に、ジャングル料理にも力を入れる。
こうしたグルメ肉の値段は、一キログラム二五〇〇~五〇〇〇円と比較的高価なため、「エミューを半年ばかりメニュー化していたが、下処理、価格面に難点があり中止した。再復活させたいが……」(葉山ホテル音羽ノ森レストラン)の声もある中、健闘してメニュー提供する店のいくつかを紹介する。
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