USターキー、従来の丸鳥型から加工度高めた通年商品へ

1994.12.05 65号 23面

「クリスマスといえばターキー」というように、ターキー年間消費の六割は12月に集中する。しかし、今、業界にはちょっとした異変が起きている。昨今のヘルシー志向の中でターキーの持つ味、肉色、そして高蛋白、低脂肪、低カロリーが注目され始め、商品も従来の丸鳥中心型から加工度を高めて小パックにしたり、日本人向けに開発したりと通年型商品が増え、利用しやすくなってきた。

日本のターキー市場は年間一〇〇〇~一二〇〇tでホテルのパーティーや一部レストランの特別メニューが主なユーザー。これをもっと多くの外食チェーン店や給食産業、一般のスーパーなどでも十分に扱う価値ある商品にと各社がしのぎをけずっている。

日本人一人当たりのターキー年間消費量は四~五gに対し、本場アメリカでは九三年が一七・八ポンド(約八キログラム)、九四年は一八・一ポンドと相変わらずの人気予側がたっている(ナショナル・ターキー・フェデレーション調べ)

日本のターキー利用はアメリカのブームに比べるとまだまだ少ないものの、丸鳥はより小型に、加工品はローファット、ローソルト(減脂、減塩)を商品特徴にして付加価値商品の開発を行い、洋食のみならず、和食、中華など、幅広く商品を提案したことから、手応えが出始めている。

兼松食品(株)(03・3542・0707)は従来の丸鳥四ポンドから二ポンド刻みで四〇ポンドまでと、ムネ・モモ・レッグ・ドラムなどのパーツからひき肉やすり身の原料など、付加価値をつけた加工商材に注力している。これまでは加熱加工品(ハムなど)、丸鳥、正肉(パーツ)の順で需要が多かったが、ビーフの自由化でパーティー利用の丸鳥が苦戦しており、今後は正肉にシフトすると見ている。

ひき肉グランドターキーは正味重量包装で食感がきめ細かい、天然一〇〇%の純粋ターキー。和・洋・中を問わずどんな料理にも利用でき、料理の幅を広げる食材で牛肉より経済的。

キューブターキー・ブレスト・ステーキは一個一個四オンスに分けて冷凍しており、利用する分だけ解凍できるのでロスなく使える。最高級の赤身胸肉でやわらかく、ポーションも均一。大勢のパーティーから給食、レストランの差別化メニューとしても最適である。

東西産業貿易(株)(03・3254・4169)は加工度を高めることにより、ターキーの需要を掘り起こす意図から業務用にジェニー・オーブランドの調理加工品「ターキーパストラミ(スライス)」とポーション製品の「ターキーブレストステーキ」の二品を新発売した。今後通年商品として和・洋・中をとわず提案していく。ターキーパストラミ(モモ肉を独特の香辛料で味付けしてある)は従来からターキーの加工品ではヒット商品となっており、二ミリメートルにスライスをすることにより、バラエティーに富んだ料理を演出でき、新食材として利便性と味を訴求していく。

ターキーブレストステーキ(ムネ肉をステーキ用にカット)は、従来からターキーブレストミート(ムネ肉の皮なし、骨なし)をレギュラー商品として販売しているが、利用しやすい八五gのポーションカットにして一枚ずつ真空パックしたもの。

ステーキはもちろん、パン粉をつけたりとメニューの広がりが期待できる。

オークラ・デリカ(株)(03・3563・0320)はおいしいターキーを日本人の誰もがなじみのあるメニューとして商品開発し、和風居酒屋チェーンやすし店に提供している。その代表がターキーたたきとターキーカツレツ。W・L・Rの高品質ターキーを原材料に日本で調理・加工しており、日本育ちのターキー製品ニューフェースとして話題となっている。

ターキーたたきはターキーの胸肉の表面をひとつひとつていねいに焼き、本来の旨みを十分に引き出した商品。淡白なターキーの味はポン酢醤油、もみじおろしなどの和風、また、洋風、中華ドレッシングとも良くマッチする。ターキーカツレツは脂肪の少ないターキーの胸肉にハムとチーズを挟み、コルドンブルー風に仕上げたもの。ライトなターキーとハム、チーズ、サクッとこんがり揚がったパン粉の風味が絶妙なハーモニーを醸し出す。

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら