特集 お好み焼き・たこ焼き・もんじゃ焼き お店紹介「千房」

1995.02.06 69号 12面

昨年10月8日にオープンした、東京・恵比寿ガーデンプレイスタワー展望レストラン街TOP OF YEBISU三八階の「千房」には、夕刻5時からのオープンに4時過ぎからお客が並び始める。庶民の味、お好み焼きを若者向けに有線を流したり、オシャレな雰囲気にして国内四三店、海外に三店を展開している(株)千房(大阪市)の直営店である。

店内は黒を基調にシックで落ち着いた雰囲気。カウンター席、座敷、テーブル席で四五坪六五席。正面の窓からは東京の街が一望でき、夜景は絶品。ガーデンプレイスそのものに観光客が多いので、客もほとんどは観光客中心だが、売上げは当初予想をはるかに上回っており、12月は二一〇〇万円を売上げた。

売れ筋は、お好み九品中「千房焼き」(ミックス、一七〇〇円)、「千房風広島焼」(一四〇〇円)、「ねぎ焼き」(一四〇〇円)がベスト3。昼はサラリーマン、OL利用が多くなるので滞在時間が限られるため、松華堂風お弁当四種を提供しており、客単価は二一〇〇~二二〇〇円だが、昼だけでみると一一〇〇円。

ディナーの特徴はお好みプラス飲めること。酒のつまみとなる一品料理を豊富に揃えており、同社渋谷一〇九店と比べても客単価が三〇〇円ほど高い。長沼朝夫店長は「サイドメニューの注文が一人一品のところ二品になった」と“飲”の充実の成果を語る。もちろんお好みはソース、粉、だし、マヨネーズ、だしエキスすべてオリジナルで素材を吟味している。

長沼店長は大阪・道頓堀から東京・恵比寿にきて西と東のお好み文化の差をかいま見たと言う。

「まず東京の人は、大阪お好みに焼きそばをはさんだ大阪では人気メニューの『モダン焼』を知らない。大阪はトッピング注文が多いが東京はミックスがだんぜん多い。大阪は小デコ(小さなヘラ)でお好みを食べるが東京は箸。提供・サービスの仕方も全く違う。東京はお客が焼いて食べているが、大阪は店員が客の目の前で焼きあげる(千房は全店大阪式)」。

まさに文化の違いが歴然。「東京以北のお好みはこれからが楽しみ」と若いエネルギーを刺激する。日本一高いお好み(三八F)に今日も行列が続く。

◆「千房恵比寿ガーデンプレイス支店」(東京都渋谷区、Tel03・5424・1011)

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