余暇充実法(10) 余暇の発見法(1)

1995.10.02 86号 22面

最近「ゆとりと生きがいのある豊かな生活」が盛んにとりあげられている。しかし、日本人は労働重視の構えが強く、遊びや余暇の過ごし方が下手だと言われる。

日本人は過去において、茶道や歌舞伎、能、カルタ、将棋など、日本特有の余暇文化を創ってきた。それがあるから仕事が不規則だったり、時間的余裕がないなかでも、各自の努力でもっとすばらしい余暇とゆとりのある生活を創造することができると思う。

だが、個人が余暇活動を発見するのは簡単なように思えるが、心から打ち込めて、継続できる活動を見つけることは、そう簡単なことではない。「何かやりたいのですが、何をしていいのかわかりません」「漠然と余暇を過ごしていますが、どうも充実感がありません」という方々が多いのが現実。このような方々に、自分の余暇が充実したものになるためのノウハウを伝授する。

(1)余暇歴のチェック

余暇を充実するには、まず自分を知ること。自分のあり方を知る方法として「自分の余暇歴を振り返る」ことを勧める。幼いころから今日までの自分の遊び、余暇活動、余暇生活を振り返ってみよう。

〈幼児期の余暇〉川遊び、虫取り、缶けり、鬼ごっこ、お手玉、あやとり、おはじきなど、懐かしい子供時代のことを考えながら「今思うと、自分はこんな子供だったんだなあ」と自分を客観的に見ることができるはず。幼児期の体験が、今あなたの性格や余暇の過ごし方に影響を及ぼしているかもしれない。

〈青少年期の余暇〉スポーツ(野球、水泳、テニス、スキー)、音楽(ピアノ、ギター、ハーモニカ、レコード鑑賞)、稽古ごと(絵画、書道、生け花)、野外活動(キャンプ、ハイキング、釣り)といった趣味、集団活動など、この時代にした活動には、俗に言う「体で覚えている」ということが多い。今それらから遠ざかっていても、再開すればすぐに昔の感覚がよみがえってくるのは間違いない。その中に、再開したい活動、継続したい活動があるかどうかをチェックしてみてください。

(余暇生活開発士・中島重夫)

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