第1回パスティス・カクテルコンペテション開く

1995.11.06 88号 20面

(社)日本バーテンダー協会関東本部(東京都千代田区、03・3571・2473)は9月3日、東京アメリカン・クラブでペルノリカール・ジャパン(株)の協賛により、「第一回パスティス・カクテル・コンペティション」を開催した。

パスティス・リカールは、スピリッツでは世界第三位を誇るほどグローバルな商品だが、日本では、まだ馴染みが薄い。

最近では、主要生産地が南仏プロヴァンスであることから話題を呼んでおり、この個性の強い酒を、“いかに飲みやすく、おいしいカクテルにするか”を目的に、今回のコンクール開催となった。

対象者は、日本バーテンダー協会関東本部の会員であり、バーテンダー認定証書を持っている者。

支部予選エントリー者一五〇人の中から選出された六〇人が最終審査に臨み、「味覚、ネーミング、テクニカル、時間、分量」について八人の審査員が審査の結果、栄えあるグランプリは、女性バーテンダーの小川百合子さん(カクテルバー・ドバシ)が勝ち獲った。

バーテンダー歴二年の小川さんは、「リカールは癖があり、日本人にどう合わせるかで一カ月位は試行錯誤だった。リキュールが好きなので、自分が女性であることから女性向きのメニューをどんどん作っていきたい」と喜色満面の表情ながら力強く抱負を語った。

賞品は、賞状およびカップ、副賞として南仏プロヴァンスの旅行券。

以下金賞は、西方明さん(フーズバー・ブルーカナリヤ)、及川淳さん(ヌーベルヴァーグ)、上地まるめさん(サパークラブ清美)、永岡正光さん(バーシャモニー)、松岡栄二さん(タバーン・グローブ)、銀賞に小川弘樹さんほか九人、ペルノリカール・ジャパン賞、ベスト・テイスト賞、ベスト・シェーキング賞に各一人、ベスト・ネーミング賞に二人が選出され、それぞれに賞状、カップおよび副賞が贈呈された。

◆レシピ/リカール20ミリリットル、ペトロフメロン30ミリリットル、マルキ・ド・モンテスキュー(VSOP)10ミリリットル、トニックウォーター適量、パールオニオン

◆レシピ/リカール10ミリリットル、ユザール・ウオッカ10ミリリットル、ミルウッドウィスキークリーム40ミリリットル、レモンピール

◆レシピ/リカール20ミリリットル、パワーズ20ミリリットル、ミルウッド15ミリリットル、グレナンデンシロップ5ミリリットル、ゼリー、オレンジピール

◆レシピ/リカール20ミリリットル、アマロ15ミリリットル、スーズ10ミリリットル、柚子果汁10ミリリットル、グレナンデシロップ5ミリリットル、グレープフルーツ

◆レシピ/リカール20ミリリットル、ペトロフレモン20ミリリットル、スーズ5ミリリットル、ブルーキュラソー15ミリリットル、トニックウォーター適量、リンゴ

◆レシピ/リカール20ミリリットル、ジェムソン20ミリリットル、ディタ10ミリリットル、フレッシュレモンジュース10ミリリットル、チェリー

◆レシピ/リカール15ミリリットル、ペトロフレモン40ミリリットル、ディタ10ミリリットル、ペパーミントリキュール10ミリリットル、グレープフルーツジュース15ミリリットル、ミントの葉、マラスキーノチェリー、オレンジの皮

椙山八重造審査委員長

プロヴァンスを使ったネーミングが九〇%もあった。ネーミングは簡略でイメージを湧かせてくれるものが良い。課題はパスティス。もっと大胆に使い飲みやすいものにして欲しかった。シェーキングは、七八〇ミリリットルと大量に入れて振る場合、スナップをきかせしっかり振る必要がある。カウンターとコンクールでは変えて欲しい。また、分量が正確でない人が多く、六〇人中四〇人が過不足で減点対象となった。

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