大きな転換期にきたラーメンチェーン店 どさん子大将小茂根店

1992.08.03 9号 13面

「どさん子大将」の旧店舗は市街地出店が多かったのであるが、今後は都市近郊のロードサイドや住宅地、あるいは地方都市での出店も活発化していく方針で、本年度はそのワンステップとしている。

同チェーンのメニュー構成は、みそラーメン五〇〇円(売上げ比六八%)、正油ラーメン五〇〇円(同一〇%)、麻婆ラーメン六〇〇円(同一二%)、その他(同一〇%)といった内容で、メニュー貢献度においては断突に味噌ラーメンのウエイトが突出している。

標準店舗は中型店で一五坪。月間売上げ四〇〇万円、荒利五七・五%、純益三〇%。大型店は店舗面積二四坪。月商七五〇万円、荒利六四%、純益三七%、両タイプ共に平均客単価六三〇円。前者で一日当たりの来客数二一一人、後者で同三九七人。味噌ラーメン六八%の売上げを誇るだけに、独自の収益、吸引力を発揮しているようである。

「さつまラーメン」「元祖札幌や」「ラーメン大学」「花いちもんめチェーン」などにおいても、独自の強さを発揮しており、チェーンの活性化と新たな市場創造に向って、独自の出店計画を打ち出している。

店舗のリニューアルについてはすでに述べてきたように、各チェーン共通の大テーマ、課題であるが、元祖札幌やの場合は味づくりやメニュー開発にも力を入れている。売上げ貢献度六〇%のウエイトをもつ味噌ラーメンについては、さらに研究開発をおこない、他チェーンの赤味噌に対し、生の白味噌を使い、オリジナルのスープ味を出している。

メニューがマンネリ化しないよう新しい商品も開発しており、最近になって「からあげラーメン」(五〇〇~五五〇円)を開発、すでに直営店でテスト導入、ランチタイムには行列ができるほどの人気だという。

からあげは若い女性にも人気があり、こういった新たなメニュー開発によって、女性客を吸引していこうという狙いがある。事実、そういう意図で同チェーンは、東京・五反田TOC店のリニューアルを実施して、女性客が気軽に入れる店舗造作(運営形態)とした。

また、店舗出店については、幹線道路やレジャー道路沿いなど、ドライブインタイプの店を積極的にチェーン化していくとしている。

業界ナンバーツーの「どさん娘」も、市街地、ロードサイドの二本立てでFC展開を進めている。平成3年4月末の店舗数は直営三店、FC七九一店の計七九四店。出店エリアは北海道から九州まで全国に及んでいるほか、グァム、ハワイ、ロサンゼルス、シンガポールなど海外にも出店している。

主力メニューはみそラーメン四五〇円、正油ラーメン四五〇円、ソース焼そば五〇〇円、餃子三五〇円。メニューの売上げ構成比はみそラーメン五〇%を筆頭に、正油ラーメン一五%、ソース焼そば一〇%、餃子一〇%、その他一五%で、やはり味噌ラーメンのウエイトは高い。

店舗の収益は市街地型一〇坪の規模で月商二二五万円、荒利六二%、純益二〇%、ロードサイド出店では、店舗面積一八坪で月商四五〇万円、荒利六二%、純益二〇%。グロスの売上げは倍増するが、収益力は変らない。しかし、他のチェーンに比べてみると、同チェーンの収益力はやや大きい。

各チェーンへの食材供給は、生鮮品を除いてすべて本部から配送している。月二回、これによって、店舗運営を確固たるものにしている。ABC分析によるメニュー開発、味づくりも怠たりない。どさん娘の強さはここにもあるが、やはり他チェーンとの競合が激化してきているので、まず無風地帯での出店を活発化するほか、老朽店舗のリニューアル化を進めて、チェーン全体の質的向上を図っていくのが、これからの大きな課題だという。(本部)

質的向上といえば、単なるチェーン規模の拡大から、新たなメニュー開発や店舗のリニューアル、システム的な店舗運営ということになるのであるが、「どさん子大将」でも旧店舗のリニューアルを中心にして、FC展開の活性化を図っていく。現在の店舗数は直営、FC合わせ七〇〇店を超えるのであるが、すでに大半が老朽化してきているので、これら店舗を改修、改善していくのは、大きな事業目標となっている。

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