トップが語るわが社の秘策 王将フードサービス・加藤潔社長

1996.01.01 92号 14面

平成不況も回復期に入ったといわれている。確かに、この一年の外食産業の大手上場企業の業績をみると企業努力もあって好転のきざしがみえる。だが、ことしもまだ不透明な要素が強く、これまでの外食産業のスタイルや利益構造の変化を余儀なくされている。そこで本紙では、外食産業のオピニオンリーダーといわれる各業種・業態の経営のトップに「ことしの景気見通しと外食産業の展望と戦略」などを聞いてみた。(順不同)

(1)ことしの景気見通しと外食産業の展望

(2)貴社の現況と今後の方針

(3)その他特筆すべきこと

(1)創業以来一貫して堅持してきた“うまい”“安い”“速い”の営業戦略の正しさが立証されつつある。

本年はこの戦略の一層の徹底を図るべく、ことしの秋に完成するCKの機能を拡充する。

これによって一層のコストダウンを図るとともに、九七年4月から完全週休二日制の実現を目指し、生産性の向上を図る。

(2)し烈を極める競合下のなかにあっては、他店との明確な差別化が唯一のキーである。

この点を見きわめ、既存店については改装による新しい客層の掘り起こし、テークアウトの拡大、個店に即応した継続的な販促、常に目新しい食材の発掘などと提供により活性化を図る。

(3)当社の強みは、“餃子の王将”に専業していることにある。

新業態の開発ではなく、立地の多様性にトライし、型にはまった出店立地でなく、立地に最適な大きさとレイアウト、内装、メニュー構成など多様な形態にトライアル、“餃子の王将”の底辺に広がりをもたせる。

新規出店は、直営・FC合わせて年間三〇~四〇店舗を目指し、特に関東・東海地区に重点を置く。

ただし、出店店舗の多さではなく、あくまでも一店舗、一店舗が地域一番の繁盛店たることを目指し、堅実に拡大してゆく考えである。

一方、FC出店の大半を社員独立制度による出店によって進める。

なお、当社の求める人材は、営業センス、すなわち“商人感覚”を有した青年にある。飲食業の原点は、あくまでもお客本位のサービスにある。

サラリーマン的感覚ではお客様本位に徹しきれない。したがって店舗への権限委譲をベースとしたOJT(オンザジョブトレーニング)により、また将来FC店オーナーへの道を拡大していくことを通じて、金太郎飴のチェーンではなく、一人ひとりの個性あふれるチェーン店を目指す。

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