ニューヨーク通信 外食ビジネスの新発想(74)ザ・カティ・ロール・カンパニー
●インド料理の具を巻いたロール・サンドイッチ コルカタのストリート・フード・ニューヨークに上陸
カティロールは、コルカタ(カルカッタ)の道端、屋台で売っているインドのストリートフード。パラタという平たいパンに具材を巻いて食べるインドのお手軽フィンガーフードである。
コルカタで見たこのカティロールをアメリカに持ってきたのが、オーナーのパヤール・サハさんだ。昼時には手軽なランチを求めるビジネスマンでにぎわう。すでにマンハッタンに3軒、ロンドンにも1軒オープンしている。(外海君子)
インド料理のファストフード店「ザ・カティ・ロール・カンパニーは、ファストフードとはいえ、冷凍物をいっさい使わない。何もかも最初から手作りだ。具材を巻く平たいパン、パラタも毎日店で焼いている。チキンも、前晩に下ごしらえをして漬け汁に浸しておいたものをグリルする。通りを歩いていると、リッチなインドのスパイスの匂いが同店から流れてくる。おいしそうな匂いに釣られて入ってくるお客も多いことだろう。
まずは、オリジナル・パンのパラタか、軽めのホールウィート・パン、ロティのどちらかを選び、具材は、13種類のメニューの中から選ぶ。主材料として、ビーフ、チキン、ラム肉、シュリンプ、卵、チーズ、野菜を使ったものがあり、メニューは、ティッカ、マサラ、パニール、すべておなじみのインド料理ばかりだ。ベジタリアン料理が豊富なインドであるから、ポテトやトマト、ピーマンを煮たアルドー・マサラや、インドのチーズを入れたアチャリ・パニールなど、メニューの3分の1はベジタリアンだ。
くるくると巻いたカティロールは、まるでトルティーリャに巻いたブリトーだ。テークアウトするときは、内側がアルミのしっかりした袋に入れてくれる。ファストフード店としては珍しくビールもあり、インドのビール、キング・フィッシャー始め、ギネス、スターリング、ステラなどをそろえ、赤白ワインも用意している。確かに、スパイシーなカティロールには、ビールが合う。寒い季節も、熱々はおいしいが、夏の最中でも、スパイシーなカティロールには食欲がそそられる。マサラチャイはインド風サモワールに入れてあり、注文するとついでくれる。
壁にはボリウッド映画のポスター。劇場街にも近く、週末は翌朝5時までオープンしていることもあって、真夜中からバウンサーと呼ばれる用心棒が立つ。フランチャイズも積極的に展開していくもようだ。
●人気メニュー5
「アチャリ・パニール・ロール(インド風カッテージチーズのキューブ、スパイシー・ピクルス)」(5$50¢、2本10$)
「チキン・ティッカ・ロール(ヨーグルトとスパイスで下味を付け、グリルしたチキン)」(5$、2本9$)
「ウンダ・チキン・ロール(卵入りチキン・ティッカロール)」(6$、2本11$)
「ビーフ・ティッカ・ロール(ヨーグルトとスパイスに一晩漬けてグリルしたビーフ)」(5$、2本9$)
「シュリンプ・マサラ・ロール(ココナツミルクとスパイスに漬けてグリルしたシュリンプ)」(6$75¢、2本12$50¢)
●事業データ
「ザ・カティ・ロール・カンパニー」(The Kati Roll Company)/所在地=49 West 39th Street New York NY40.728385-73.9835759/開業日=2007年6月/営業時間=月~木午前11時~午後11時、金午前11時~翌午前5時、土正午~翌午前5時、日正午~午後9時/席数=25/客単価=9$