帰ってきた飲食店のための血液型講座(56)A型香港留学生、日本で開業、悪戦・苦闘編
「当連載は、あまりにちゃらんぽらん!」
友人、谷口(O型)氏から、立ち飲み屋で説教された。
酔っぱらいの説教なんて、犬も食わない! 串カツでいえば、イカゲソ天だ。
ムムム……、だがワシだって、真面目な文章も書けるンじゃ~。そこで今回、A型、香港留学生の、独立開業の話をお伝えしよう。
馬(マー)君と出会ったのは、調理師専門学校。馬君は、香港からの留学生。
「先生、私、日本でお店やりたい。そのために、バイト代、貯金している」
オ~偉いね!
「先生、私が日本でお店やるのに、いくらお金必要か?」
休み時間に、同じ質問を毎回繰り返す。実にしつっこい。
ムムム……、まさにA型。真剣で前向き、真面目でコツコツはA型に多いがチョッとしつっこ過ぎヨ。
そこで休日に会い、Cafeで話を聞くことにしたのじゃ。
「馬君、君は日本でどんな店をやりたいのかね?」
「僕は、香港ワンタン麺の店、やりたいンです!」
香港ワンタン麺、そりゃ~すごい! 香港旅行の観光客の大半が食べにいく、香港ワンタン麺。日本のワンタンと違い、中身がギュッと詰まって、ワンタンがデッカイ。
ワンタンのあんに、豚肉、エビが練り込んであり、皮もベロベロしていない。日本ワンタン麺、あれ、ただのベロベロにゆでたワンタン皮を食べている感じ。う~ン、本場香港のワンタン麺、日本の皆さんに一度は食べさせたい。(ヨーシ、それなら繁盛の可能性はある!)
「ワシ、真剣に馬君が日本で開業できるように応援してあげよう」
しかし、それからが大変だった。卒業後、日本で開業するには「ビザ」を切り替えねばならない。観光ビザから「経営・投資ビザ」に。しかし、これが難関。入国管理事務所(入管)の厳しい審査が待っている。
手持ち資金、少なくても450万円以上持っていなければならない。具体的な、店舗物件も確保しなければならない。
卒業後、しばらく知り合いの中華料理店で修業させた。だが、観光ビザではそれは違法。何度か成田空港から香港を往復した時、入管でチェックされた。
「君、観光ビザで、頻繁に日本と香港を往来しているが、何しているンだ?」
厳しく問い詰める審査官、馬君、つい血液型の特性が出てしまう。A型は、追いつめられると“切れる!”やけっぱちになり、暴走する。
「私、学校出て、日本でお店やるため、今日本でアルバイトしている。それ、お店やるお金稼ぐため。私、日本の皆さんに、本当においしい香港ワンタン麺食べてもらいたいため、一生懸命努力。それ何故悪いか」
馬君、本当のこと言い過ぎ……。即成田空港で拘束、入国管理法違反で、香港に強制送還……。トホホ。
あ~ぁ、今回は話が真面目すぎて、楽しくない……。でも勉強になったナ~。
(血液型研究所主幹 エービー海老尾)