高桑先生の飲食経営クリニックQ&A(61)田舎の素朴な料理で、お・も・て・な・し

2014.08.04 425号 13面

 先生著作の「農家レストランの繁盛指南」を読み感動しました。農業は今、大変な時代です。ご存じのように、TPP(環太平洋自由貿易協定)やJA全中廃止の農業改革。そんな中、私の担当地域の農家の主婦グループが、「農家レストラン」を計画しています。どう指導したらよいか、ご指導下さい。(岐阜県 農業改善普及指導のWさん、38歳)

 ●バイキングなどやめて安全安心地元食材を使い 田舎の素朴な料理で、お・も・て・な・し

 自著を、お読みいただき感謝に堪えません。農家レストランも、一時のブームは終焉し、本当に成功した農家レストランだけが生き残る時代。

 5年前、農家レストラン・ブームの中心は「バイキング(ブッフェ)」方式だった。立ち上げ時、主役の農家の主婦たちが「私たち、立派な料理なんてできません! 農家の家庭料理ですから、おなかいっぱい召し上がって!」となって、バイキングが主流になった。

 しかし、バイキングには大きな問題がある。閉店間際まで、皿を満杯にしておかなければならない。「なんだ、食べ残しか!」と言う閉店間際に来た顧客のクレームが怖いからだ。

 そのため、多くの料理が残り、廃棄(食品残さ)となる。それがもったいないので、残り物の使い回しが起こる。ロス(損失)は大きく、味も落ちる。

 いずれにしろ、バイキングによいことはない。

 ではどうすればよいのか。安全・安心の地元食材を使用し、特徴ある料理を生み出すことだ。

 写真は、和歌山県H町の「農家レストラン創業塾」で、農家の皆さんと生み出したお膳料理。

 これは一例にすぎないが、地元食材と郷土料理を創作し、都会から来る観光客の笑顔が絶えない、そんな農家レストランを作り上げてもらいたい。

 ((有)日本フードサービスブレイン代表取締役/服部栄養学園マネジメント論講師 高桑隆)

 ●里山ほたる御膳 1,380円

 〈竹の子チラシ寿司〉地元のおいしいコメを酢飯にして、タケノコ、原木椎茸、錦糸卵、有田ミカンの皮をトッピング

 〈竹の子のコロッケ〉大きめに切ったタケノコを煮て、地元のジャガ芋で包み、コロッケで揚げたもの

 〈美味しい豆腐に梅肉ドレッシング〉地元のおいしい豆腐を使い、和歌山の南高梅ドレッシングをかけた

 〈ミカンとトマトのコンポート〉有田ミカンを使用、ミニトマトを甘く煮て、冷蔵庫で寝かせたデザート

 〈漬物BAR+薬草茶〉食前に、5~6種類の手作り漬け物を店の中央に置き、薬草茶と自由に召し上がってもらう

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