業務用加工食品ヒット賞 和食部門:不二製油「濃久里夢(こくりーむ)」
◆和食の世界普及後押し
不二製油の「濃久里夢(こくりーむ)」は世界初の大豆分離分画技術「USS製法」により誕生した、“豆乳クリーム”。大豆研究を半世紀以上続けてきた同社のこれまでの研究知見を結集、素材風味を生かしながらもコクとリッチ感を付与できる高い付加価値を実現した。特に和食分野では、世界発信へ通じる優れた素材として高い評価を獲得。食糧問題が危惧される中、国際的にも今後、重要性を増すことは間違いない。
同品最大の特徴は、まろやかさと大豆由来のコクを持ちながらも後味がスッキリしているという、高い味覚性にある。これによりさまざまな料理で抜群の相性が発揮でき、素材の魅力を残しつつ絶妙なリッチ感を残すことができる。
中でも注目は、和食における活用力の高さだ。洋食における乳由来の生クリームでは、和食特有の繊細な風味を保持するためは相性が良くない。同品では大豆由来の特性を持っているため、例えばだしとの活用の際には逆にうま味を引き出す力を発揮する。
このことは、和食の世界進出をさらに後押しすることにもつながる。和食は文化遺産登録など世界的な注目を集めているが、時として味覚面でのパンチ不足が指摘されることもある。同品による課題払拭は「これで世界で和食が活躍できると確信した」(菊乃井・村田吉弘主人)通り、和食のさらなる地位向上に大きな機能を果たすだろう。
開発の肝となった「USS製法」は、牛乳の分離分画技術を大豆でも実現するもので、大豆カンパニーとして知られる同社の知見・製造フロー・ノウハウを集大成。中でも分画の精度化、風味確保には試行錯誤を重ねた。大豆への追求心、ものづくりへの情熱、高い技術力がすべて融合した同社ならでは製法・製品といえるだろう。
世界初の新機軸製品だけに、国内外を問わず活用の可能性は無限だ。同品使用のドレッシング「大豆道麗(まめどれ)」など応用製品も拡大しており、豆の魅力訴求機関「まめプラス推進委員会」ではBtoCを含めたPR活動を展開中だ。来年の伊・ミラノ国際博覧会日本館HPでは「寿司ロボ」「フリーズドライ」と並び、日本の食技術分野の代表例として紹介され、海外でも評価は急上昇中だ。
「乳」業に並ぶ、「豆」業へ–既存概念を覆す斬新な技術と積み重ねてきた大豆への飽くなき探求心は、和食の地位向上と食糧問題への貢献へ着実に歩みを進めている。
◆規格=900ml(冷蔵)
●TKG(豆乳クリームかけごはん)
作り方
(1)「濃久里夢」「美味投入」、チキンコンソメ、野菜ブイヨン、醤油を鍋に入れて沸かし、水で溶いたコーンスターチでとろみを付ける。
(2)ご飯に水菜、チンゲンサイ、チキンをのせ、(1)をかける。
(3)大葉、温玉、ベーコンをトッピングする。
●じゃじゃ麺 豆乳味噌スープ
作り方
(1)かつおだしを鍋に入れて温め、白味噌、薄口醤油を入れてから「濃久里夢」を加え、スープを作る(沸騰させない)。
(2)麺をゆで、器に盛る。
(3)(1)の肉みそ、チンゲンサイなどのトッピングを別器に入れて添える。
●豆乳抹茶ロールケーキ
作り方
(1)「濃久里夢」、米酢、グラニュー糖を泡立て、別のボウルで卵白、グラニュー糖を泡立てて混ぜる。
(2)(1)に薄力粉、抹茶を混ぜ、型に流して180度Cで10~13分焼く。
(3)「濃久里夢ほいっぷ」でホイップクリームを作り、(2)に塗り、小豆を置いて巻く。
●泡立ち黒蜜豆乳
作り方
(1)きな粉、黒蜜、食塩を器に入れる。
(2)「濃久里夢」「美味投入」を70度Cほどに温めて(1)に注ぎ、茶筅を使用して泡立てる。











