メニュートレンド:驚き!馬の骨で白湯スープ 「ラーメン&中華料理 味香美」

2015.10.05 439号 02面
具材は馬肉燻製2枚、キクラゲ、メンマ、煮卵、ワケギ、海苔。スープは一般的な豚骨ラーメンの1.3倍の濃度を誇る

具材は馬肉燻製2枚、キクラゲ、メンマ、煮卵、ワケギ、海苔。スープは一般的な豚骨ラーメンの1.3倍の濃度を誇る

東急みなとみらい線・元住吉駅から徒歩3分ほどの閑静な住宅街に店を構える。2014年7月に東京・大井町で「ラーメン良馬」の店名で営業していたが、15年6月に移転した

東急みなとみらい線・元住吉駅から徒歩3分ほどの閑静な住宅街に店を構える。2014年7月に東京・大井町で「ラーメン良馬」の店名で営業していたが、15年6月に移転した

 昨今、馬肉の注目度が高まっている。生食が許される希少な肉であるうえ、低脂肪高タンパクのヘルシー食材であることが人気の理由だ。そんな馬の健康パワーに着目して馬の骨でスープをとった馬骨ラーメンを開発したのが、神奈川・元住吉の「ラーメン&中華料理 味香美」だ。その実力をレポートする。

 ●圧力鍋使用で商品化に成功 健康&美容を強力アピール

 味香美は1963年、東京・大井町に創業。大衆中華料理店というスタンスだが、これまでも無化調の豚骨スープ、豚ナンコツのみを使用したスープと、独自性の高いラーメンを提案してラーメンファンに人気を誇っていた。創業者の坂本菊男代表が病気療養のためしばらく閉店していたが、再起をかけて新たに開発されたのが馬骨ラーメンである。

 「療養中に、もっと健康に良いラーメンを作りたいと考えて着目したのが馬の骨でスープをとることでした」と語る坂本代表は74歳。齢(よわい)70を過ぎてもなお新しいラーメンの開発に情熱を注ぐバイタリティーに頭が下がる。馬といえば、馬の脂を使った「馬油」は古来から傷薬やスキンケア商品として使われている。人間の皮脂に近い性質を持ち低コレステロールと、健康に最適なことは間違いない。

 馬骨スープはスネ部分のみを厳選して圧力鍋を使用して炊きだした濃厚な白湯スープ。第一印象はポタージュのように濃厚でねっとりとしているが、口に含むとサラッとした舌触りで喉越しも滑らか。食後、唇がプルプルした潤いを長時間保ち続けており、馬骨スープの底力を実感した。

 スープは馬骨、水、塩のみで炊く完全無化調でヘルシーさを追求。たれは醤油、干しホタテ貝柱とヒモ、昆布。自家製麺の中細ちぢれ麺はたっぷりスープを絡めるので、まるでスープを食べるような感覚だ。

 商品開発にはいくつものハードルを越えなければならなかった。馬骨の確保では日本各地の馬生産者に問い合わせ、何とか2つの馬生産者が引き受けてくれた。

 スープ作りも最初は清湯を試作してみたが脂分が多く断念。白湯に変更したが通常の鍋で炊くだけでは乳化しなかった。そこで圧力鍋を使うことで乳化に成功。ようやく商品化にこぎつけた。

 飲食店コンサルタントの顔も持つ坂本代表は「埼玉・幸手の店で馬骨スープを使ったほうとうを商品化する計画。また馬骨ラーメンの出店依頼も数件あり、準備を進めているところです」と語る。健康にも美容にも訴求力を発揮できる馬骨スープが、ラーメン界に新風を巻き起こしそうである。

 ●店舗情報

 「ラーメン&中華料理 味香美」 所在地=神奈川県川崎市中原区木月住吉町4-19/開業=2015年6月(移転)/営業時間=午前11時~午後3時、5時~10時、不定休/坪数・席数=10坪・20席/1日平均客数=50人/平均客単価=1000円

 ●愛用資材・食材

 「京風白みそ30割(漉)」 宮坂醸造(東京都中野区)

 馬骨ラーメンは味噌味でも提供。赤味噌、白味噌、味噌辛の3種を用意するが、白味噌のベースに使用しているのが同品。米麹を大豆の3倍使用しており上品な風味で、通年安定した品質も採用の決め手となった。

 規格=20kg(冷蔵)

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