水戸市のパスタが熱い! 日本一の外食パスタ消費県をけん引 「グルービー」
総務省統計局発表の家計調査報告(外食2012~14年平均)の「その他めん類」の項目で急激な伸びを見せた茨城県水戸市。13~15年平均でもその座は揺るぎない。「その他めん類」といえば、ほとんどがパスタと推定される。伸びた理由は何なのだろうか? 茨城県下に8店舗、千葉県に1店舗を展開するパスタチェーンの「グルービー(屋号=Groovy)」の永山忠夫専務に聞いた。
●3世代ファミリー客をつかむ 女性客が9割以上
「まったくそんな意識はない」と戸惑いの永山専務。昨年はテレビの情報バラエティー番組で紹介され、話題となり、近年少しずつ来客数は増えてはいるが急激に増えたという印象はない。だが、「パスタの麺の消費は茨城県下では当社が間違いなく1位。明確な要因は分からないが、県下のパスタ消費に貢献できたのならうれしい話だ」と語る。
「グルービー」のパスタメニューはトマトソースなどのオーソドックスなものからマヨネーズ、味噌といった変わり種まで100種類以上。本格イタリアンではなく日本人の好みを追求した味わいだ。その他にもピザ、ピラフ、デザート、ドリンクを合わせると、350種類以上の豊富なメニューがそろっている。トマトソースのパスタは通常1人前600gくらいであり、多いものになると800gを超えるというガッツリ系だ。だが客層は90%以上が女性。木を基調とし、ところどころにアートを取り入れた優しい空間でくつろいでゆっくりと食事ができるのが人気の秘密だ。「グルービー」は、1982年に松本弘社長が脱サラで喫茶店を開業したのがスタート。創業時からの「グルービー」ファンも多く、「初めてのデートで来た」という世代が、3世代で訪れるファミリー層が増えている。このファミリー層の増加が近年の大きな変化だ。
看板人気メニューは「海賊パスタ」。たっぷりのトマトソースにカニ、エビ、イカ、ツナ、小柱が入っている。名前は海賊と荒々しいが、ソースはやや甘めのトマトソースとホワイトソースにチーズが絶妙にマッチした優しい味わい。昨年テレビの情報番組で紹介された時は毎日200食超えが続いたという記録もある。
「グルービー」はパスタソース、ピザ、生ドレッシング、ケーキ、デザートなどはすべて手作り。創業以来ずっと大人気の生野菜たっぷりの生ドレッシングは地元の量販店チェーンでも販売されているほどだ。また、パスタのテークアウト販売も行い、好評だという。