メニュートレンド:焼肉×肉寿司×すき焼きのトリプル技 「川越焼肉Kan」
肉ブームは衰えを知らない。その中心的役割を担っているのが、焼肉であることに異論はないはず。同業者が多いからこそ差別化が必須課題となるが、「肉を焼いて食べる」という至ってシンプルな提供スタイルであるがゆえに、独自性を出すのが難しい。この難問を見事にクリアしたのが、「川越焼肉Kan」の「深谷牛ザブトンあぶり焼き」だ。
●食材は地産地消にこだわる 卵かけご飯の味わいもあり
焼肉店で他店との差別化を打ち出すとなると、銘柄牛や希少部位をアピールするのが常套手段だが、今どきのお客さんはそれだけでは飛びつかない。そこで、ドライアイスと一緒に盛り付けて注水スモークで演出する「ドライアイスデコレーション」や、自分の食べたい肉をお客さん同士で競り合う「ミートオークション」などエンタメ性を盛り込んだ提供スタイルも登場している。
もちろん、それらも斬新な趣向だが、「深谷牛ザブトンあぶり焼き」はシンプルでありながら、ありそうでなかった目からウロコのメニューとして注目に値する。
まず、肉は埼玉県のブランド和牛の「深谷牛」。使用するのは肩ロースの「ザブトン」と呼ばれる部位。チルド保存のブロックで仕入れたものを手切りで1mm厚さにスライスする。「スーパーの精肉売場に14年間勤務して、4年間はバイヤーをしていたので肉を見る目と扱いには自信があります」と齋藤雅洋料理長。
スライス肉をサッと両面焼き、しゃりに巻く。これをワサビ醤油で食べるのは、すでにある「肉寿司」のスタイル。このメニューの独創性は、さらに卵黄を付けることを提案していることにある。牛肉に卵を付けて食べるといえば、ズバリ!すき焼き。一つのメニューで焼肉、肉寿司、すき焼きの3パターンを堪能できるというアイデアだ。
「肉は4枚あるので、最初はワサビ醤油で召し上がり、次は味に変化を出すために、卵黄を付けてご賞味いただけたらと思います」と齋藤料理長。肉はしゃりに巻きやすいように版形を大きめにするのがコツだ。
卵黄は焼肉のたれを少量加えて混ぜ合わせる。たれは醤油、三温糖などに玉ネギ、リンゴなどを加えて約2時間炊き、4日間寝かせたもの。すき焼きの割り下をイメージして、やや甘めなのが特徴。焼肉、しゃり、卵黄が口の中で一体となると、「卵かけごはん」の味わいも。「深谷牛ザブトンあぶり焼き」は、この1品でお客さんを何回も楽しませることができるメニューといえるだろう。
●店舗情報
「川越焼肉Kan」 所在地=埼玉県川越市中原町2-25-4 ライラックヴィラI番館202/開業=2016年3月/営業時間=月~日・祝午前11時30分~午後2時、5時~翌午前0時 無休/坪数・席数=24坪・36席/1日平均客数=平日約20~30人、週末約60人/平均客単価=昼約1000円 夜約5000円
●愛用資材・食材
「川越はつかり醤油」 松本醤油商店(埼玉県川越市)
香りとコクが決め手
国産の良質な大豆と小麦を原料とし、木桶で計2年天然熟成させた再仕込醤油。うま味成分と残留糖類が多く自然なうま味と香りが特徴。「肉はもちろん食材や調味料もできるだけ地元のものを使用して、地産地消を目指しています。この醤油は焼肉のたれと、お客さまにワサビ醤油で召し上がっていただくときに使用しています」と齋藤料理長。
規格=200ml













