業務用加工食品ヒット賞 給食・惣菜部門:ニチレイフーズ「シェフズ・スペシャリテ」シリーズ
◆“日常以上、ハレ未満”の刺激策
ニチレイフーズの「シェフズ・スペシャリテ」シリーズは、“日常以上、ハレ未満”をコンセプトに、手の届くちょっとした贅沢を提供できるシリーズとして2016年11月に登場した。有名シェフ監修によるプロの味を価値に見合う価格で提供することで、売上げだけでなく商品単価を高めたい量販店の弁当・惣菜売場と、通常メニューとは違ったワクワク感・楽しさ感を提供したい事業所給食の需要を強く刺激。発売当初から高い評価を得て、採用が拡大している。
福本雅志常務・業務用事業部長は同シリーズの特徴を「業態とターゲットを絞り込み、有名シェフが長年培ってきた技と当社の加工技術を融合して開発した。景況感も踏まえてハレ同様の価値を手の届く価格で提供し、差別化によって売上げ・売価アップに貢献している」と語る。
綿密な市場調査により、ターゲット設定は緻密だ。事業所給食は学生食堂も視野に、30代以下の若年層とワーキングシングルも対象とした。節約志向、モノからコト重視へ、SNSで価値観を共有–といった特徴を持つ。日頃の給食でシェフ監修メニューを「ちょっとした贅沢」を味わえるメニューとして提案し、話題性と“日常以上”を提供。SNSでの反響が拡大して、実際にシェフの店に足を運ぶ人も多くいるという。
量販店弁当・惣菜売場のターゲットは、同社が“新しい大人”と呼ぶ50代以上の元気なシニア層で、相対的に食への関心が高い。売場になかったシェフの本格メニューを弁当の形態にすることにより、その価値の分で、100~150円の単価アップが可能になる。実際に導入した小売チェーンでは、インストア弁当の売上げが月間で10%増となった例がある。某社バイヤーは「弁当単価が上がり、しかも売れている。いいものを買う流れができた」と高く評価する。
コンセプトはそのままに、洋食(調理冷食8品・常温2品)だけでなく、18年春には中華(調理冷食2品、常温1品)も加えるなどアイテムを順次拡大。今秋にも洋食の調理冷食新2品を加えて全15品を品揃えしている。
まず定番化したのは東京・日本橋「三代目たいめいけん」茂出木浩司シェフ監修のハンバーグ、神戸・新開地「グリル一平」山本隆久シェフ監修のクリームコロッケなど。他に東京・根岸「レストラン香味屋」小田倉光夫シェフ監修のメンチカツなど、中華は東京・新橋「新橋亭」田中喬総料理長監修による「大焼売」など。今秋、「三代目たいめいけん」茂出木シェフ監修のチキングラタン・ミートドリアを追加し、オーブン調理が可能な解凍後チルド品でも提供している。
●【神戸・新開地】グリル一平 山本隆久シェフ監修 クリームコロッケ
老舗洋食店に受け継がれる人気の一皿を提供
牛乳、生クリーム、バターにエビペーストを加えた、なめらかで味わい豊かなクリームコロッケ。
規格=900g(12個入)
●【東京・新橋】新橋亭 田中喬総料理長監修 大焼売
名料理長の味付けでジューシーに仕上げた
しっかりとした豚肉の食感と玉ネギの甘味が感じられる焼売。隠し味にサンショウ、オイスターエキスを使用し、時間が経ってもジューシーな味わい。
規格=3,360g(28g×120個入)
●【東京・根岸】レストラン香味屋 小田倉光夫シェフ監修 メンチカツ
下町のハイカラ洋食屋が完成させた味を手軽に
牛肉、豚肉のジューシーなメンチカツにセロリ、ガーリック、マスタードの風味を利かせた、ボリューム感のあるメンチカツ。
規格=1,200g(10個入)
●【東京・日本橋】三代目たいめいけん 茂出木浩司シェフ監修 ハンバーグ(デミグラスソース)
行列ができる名店の変わらない美味
厚みのあるハンバーグにナツメグを加え、香り豊かに仕上げた。甘味と酸味のある濃厚デミグラスソースが絶品。
規格=720g(6個入)×5袋+ソース220g×5袋