料理人の推奨食材:「稲荷町高はし」高橋正博店主 ヤマサ醤油「ヤマサ重ね仕込しょうゆ本懐石」
●まろやかにまとまった味わい 微量でも明らかな違い
東京・稲荷町は来街者でにぎわう上野駅から徒歩8分。喧噪を離れ、密集する寺社の門前町として、江戸時代から栄えてきた。町を店名に掲げ、和食文化を現代につなぐのが高橋正博店主。鉄人・道場六三郎氏の門下で修業を重ね、選りすぐりの食材の味わいを、確かな腕で引き出す。高橋氏にヤマサ最高峰の醤油である「重ね仕込しょうゆ本懐石」を評してもらった。
高橋氏は「本懐石」を「塩カドなど変なクセがなく、味わいがまろやか。うま味や香りが高レベルでまとまっている」と評価する。色は熟成したワインのような少し濃いめの赤。各種料理に使え、刺身向けの昆布醤油に用いれば、素材を引き立てる、まろやかさが際立つと提案する。
焼き魚など調理前の醤油洗いにも有効。旬のフグを「本懐石」で洗えば味付けはもう十分。ショウガと片栗粉をまとわせ、から揚げにすれば、フグ本来の豊かなうま味が楽しめる。「本懐石」は自然な甘味が強く、和食特有の甘辛仕立ても合う。名物料理の一つが熊本みりんの赤酒、少量の醤油だけで蒸す「フォアグラの赤酒漬け」。「本懐石」の甘味でフォアグラの濃厚な味と舌触りが増す。
●プロフィール
高橋正博(たかはし・まさひろ) 「稲荷町高はし」店主
神奈川県出身の41歳。銀座、赤坂の割烹などで修業し、12年3月に開店。昼はランチセット、夜は1万円からのコース中心。冬は島根県浜田港のクエが人気。クエの骨だしでクエを煮る潮煮、からすみの西京味噌漬けなど、料理はそれぞれ、素材本来の味わいが直接心にしみる。
店舗所在地=東京都台東区東上野5-17-8
●商品紹介
「ヤマサ重ね仕込しょうゆ本懐石」 ヤマサ醤油(千葉県銚子市)
ヤマサ醤油の「本懐石」はうま味の目安となる窒素分が一般比20%多い超特選醤油。特許取得の「重ね仕込:追い麹製法」によって深いうま味と甘味、やわらかな香り、澄んだ色を両立する。普通の濃口より割高だが、だしで食材を生かす和食なら使用量は限られる。微量でも違いが分かる「本懐石」でこそ、旬の素材の繊細な味わいが引き出せる。
規格=1.8L×6、10L