メニュートレンド:肉肉肉カレー チャーシューのド迫力で勝負

2019.09.02 487号 27面
肉肉肉カレー 1,000円(税抜き) 仕上げにフライドオニオンをパラリ

肉肉肉カレー 1,000円(税抜き) 仕上げにフライドオニオンをパラリ

写真2

写真2

 “スパイスカレー”が火付け役となって、今、「カレー専門店」がブームだ。スパイスカレーは、その名の通り、スパイスやハーブをふんだんに使用することで特徴を出しているが、他店にはないカレーを作り出すアイテムは他にもある。“チャーシュー”という、一見、カレーとは結び付きにくいアイテムで、独自のカレーをひねり出したのが、「カレーダイニング Chai(チャイ)」の「肉肉肉カレー」だ。

 ●起死回生のリベンジメニューが大当たり

 「肉肉肉カレー」が誕生したのは、今から5~6年前だが、実は、このメニューには前身がある。カレーにチャーシューを4~5枚のせた「チャーシューカレー」だ。よくある豚カツやハンバーグとの組み合わせとは異なり、チャーシュー×カレーは十分にユニークだと思うが、お客さんの反応は、そう甘くはなかった。

 「さっぱり売れない。それで、やけくそでチャーシューをこってり盛りました。ラーメン店でよくあるチャーシューのメガ盛りがヒントですね」と語るのは福永徳彰店主。この“やけくそ”が功を奏し、「来るお客さん、来るお客さん、みんな写真を撮る。それがきっかけではやり出しました」と、ダメになりかけたメニューが蘇った。

 メニュー名も「肉肉肉カレー」に改名。肉=チャーシューを前面に打ち出すことで、差別化に成功した好例だ。特徴を出すならとことんやらないと、お客さんには響かないということだろう。

 チャーシューはほぼ毎日仕込む。豚ばら肉を約2kgと玉ネギ、ニンジン、セロリなどの野菜を圧力鍋で炊く。肉のうま味が出たスープはカレールウに使用。スライスしたチャーシューは、注文を受けてからフライパンで温めて調味する。盛り付けは、チャーシューでライスとルウを覆い隠すのが鉄則。肉肉しさに徹したことが成功のカギといえるだろう。

 ●店舗情報

 「カレーダイニング Chai(チャイ)」 所在地=東京都府中市宮西町2-3-9/開業=1979年(現在地は2014年から)/坪数・席数=約22坪・26席/営業時間=11時30分~14時30分、18時~23時30分。無休/平均客単価=昼約850円、夜1000~1200円/1日平均集客数=50~60人

 ●愛用資材・食材

 「インデラ・カレー スタンダード」ナイル商会(東京都練馬区)

 他にはない風味が決め手

 インド特有の方式に独自のブレンド技術を加えたカレーパウダー。保存料、合成着色料などの食品添加物不使用。「大手スパイスメーカーの商品ではない物を使おうと思いました。このカレーパウダーにしかない、スパイシーで深い香りが気に入っています。当店のカレーの風味付けには欠かせません」と福永店主。

 規格=2kg

 【写真説明】

 (写真2)(1)肉を炊いたスープはカレールウに使用するので、この時点ではほとんど味付けをしていない(2)ビーフカレーとターメリックライスの上にチャーシューを1枚ずつ丁寧に並べていく(3)バーナーで炙って18品の朝ごは肉の香ばしさを出す

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