惣菜弁当研究所:ローカル名物紀行 沖縄学メシ弁当コレクション(前編)

2019.11.04 489号 15面
沖縄弁当の基本形 ご飯におかずをのせた琉球幕の内

沖縄弁当の基本形 ご飯におかずをのせた琉球幕の内

沖縄“丼”弁当の基本形 カラシナ・ニンジン・フライの3色丼

沖縄“丼”弁当の基本形 カラシナ・ニンジン・フライの3色丼

弁当R2 南部農林高校付近

弁当R2 南部農林高校付近

サンバのような音楽がズンズン

サンバのような音楽がズンズン

沖縄メジャーのアンチテーゼ「ドライカレー弁当」

沖縄メジャーのアンチテーゼ「ドライカレー弁当」

牛肉とチキンの交換で2倍の味わい

牛肉とチキンの交換で2倍の味わい

マミー弁当 北谷高校付近

マミー弁当 北谷高校付近

ひき肉の二大スターが夢の共演

ひき肉の二大スターが夢の共演

南農前商店 南部農林高校付近

南農前商店 南部農林高校付近

長寿県の誇り保つ理想的バランス

長寿県の誇り保つ理想的バランス

 ◆嗜好と満腹を両立する最強お値打ち弁当

 沖縄県の高校には学生食堂が少ないため、どの高校にも付近に学食代わりの弁当店があり、店頭のほか、校内に出張して弁当を販売している事例が多い。学生ご用達なだけにコスパは抜群。日替わり中心なので商品名は、ほぼ「弁当」。個人店による無添加・手作り・作りたてには、育ち盛りへの親心が凝縮されている。卒業生からも根強く支持されている沖縄学メシ弁当をご紹介!

 (取材期間:2019年1月10日~9月30日)

 ●沖縄弁当の基本形 ご飯におかずをのせた琉球幕の内

 「弁当」 税込み400円/約497g 弁当R2(豊見城市)

 おかずのメインは「ゴーヤチャンプルー」、ご飯の上に「ポーク」と「卵焼き」。この3品の存在と配置が沖縄弁当の基本形。他に天ぷら、コンニャク炒め、ポテサラなど盛りだくさん。いわば沖縄弁当の「幕の内」だ。

 ●沖縄“丼”弁当の基本形 カラシナ・ニンジン・フライの3色丼

 「弁当」 税込み300円/約470g 弁当R2(豊見城市)

 「カラシナ炒め」「ニンジンシリシリ」「チキンカツ」の3色3品をのせた沖縄丼弁当の基本形。本品はチキンカツを厚切りにしているが、一般的には細かくブツ切りにすることが多く、それをマヨネーズであえるのも普通。

 ●サンバのような音楽がズンズン

 「弁当」 税込み350円/約546g パーラーミッキー(那覇市)

 静寂な住宅街に立地する沖縄工業高校の正門前に出店。授業中にもかかわらず、サンバのような音楽をズンズン流しているのが、ちょっと気になる。弁当の内容は音楽よろしく元気よし。店頭調理の和風ファストフードが充実。

 ●沖縄メジャーのアンチテーゼ

 「ドライカレー弁当」 税込み300円/約460g たんぽぽ(那覇市)

 音楽をズンズン流すパーラーミッキーの隣の店。こちらは相対する昔気質っぽい雰囲気が漂う。中でも異彩を放つのが「ドライカレー」。沖縄メジャーのタコライスに対するアンチテーゼとして、陰ながら応援したくなるいぶし銀だ。

 ●牛肉とチキンの交換で2倍の味わい

 「弁当」 税込み300円/約429g マミー弁当(北谷町)

 チキンカツと牛肉炒めの単なる男弁当だと思ったら大間違いだ。チキンカツはソース漬けなので、ソースとフライ油がご飯になじんでいる。牛肉炒めの炒め汁も同様。つまり途中でチキンと牛肉の位置を交換すれば、食べ合わせが2倍になる仕掛けなのだ。

 ●ひき肉の二大スターが夢の共演

 「弁当」 税込み300円/約373g 南農前商店(豊見城市)

 ひき肉の二大スターである肉そぼろとハンバーグが夢の共演。互いの個性がぶつかる中、緩衝役を引き受けたいり卵、端役に甘んじた揚げシュウマイの献身ぶりもニクい。沖縄のひき肉人気を如実に示す配役だ。

 ●長寿県の誇り保つ理想的バランス

 「弁当」 税込み400円/約510g 宝食堂(名護市)

 1日に必要な野菜摂取量の2分の1くらい取れそうな健康志向。鶏唐揚げとサバ味噌煮込みで肉と魚の動物性タンパク質も十分。梅干しと卵巻き揚げの彩りとアクセントも絶妙。この弁当が普及すれば長寿県の誇りは安泰だ。

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら