メニュートレンド:牛すじで開発!新感覚洋食メニュー「マッカレー」

2020.01.06 491号 23面
マッカレー(並)850円(税込み) カレーは、子どもも食べやすい辛さで、添えている辛味ソースで調節可能。写真奥は、看板メニューの「すじ玉丼(並)」800円(税込み)。各味噌汁付き

マッカレー(並)850円(税込み) カレーは、子どもも食べやすい辛さで、添えている辛味ソースで調節可能。写真奥は、看板メニューの「すじ玉丼(並)」800円(税込み)。各味噌汁付き

ビル地階の飲食街にある、カウンター8席の店

ビル地階の飲食街にある、カウンター8席の店

 牛すじのうまさで人気なのが、神戸・三宮駅前の商業ビル内で営業する「すじ玉丼 糀屋(KOUJI-YA)」。一番人気は「すじ玉丼」だが、牛すじのアレンジメニューも積極的に開発。中でも、カレーとオムライスが同時に味わえる「マッカレー」は、新感覚の洋食メニューとして新たなファンを獲得している。

 ●男性に人気の黄金コンビ 丁寧な下処理がポイント

 同店を運営するのは、店主の足立美智子さんと娘の新野和子さん。2001年の開店時に、家庭で作ってきた牛すじと醤油の煮込みの味を提供したいと、「すじ玉丼」を開発した。すじ肉には、黒毛和牛を一貫して使用。その軟らかさと味わいが評判を呼び、近隣をはじめ遠方からの客も多い繁盛店となっている。

 味の柱になる黒毛和牛すじ肉の仕込みには、1回で約40kgを使用。ポイントになるのは、丁寧な下処理だ。まず、ゆでてアク抜きをするが、硬さの感触を見ながら最適なゆで具合を探っていく難しさがあるとか。その後は醤油と酒、みりん、砂糖で煮込み、一晩冷蔵庫で寝かせて甘辛い味を入れている。

 メニューには、すじ玉丼以外に、オムライスなどの洋風の味も用意。「最初はすじ玉丼だけでしたが、お客さまの要望によりメニューが増加。どの商品も、牛すじの味を楽しんでもらうことを軸に考案しています」と新野さん。

 例えば、「自家製オムライス」(750円)の具材では、一般的な鶏肉ではなく黒毛和牛のすじ肉を使用。肉と仕込み時に出ただし、玉ネギ、ケチャップでうま味が凝縮したトマトソースを作り、オリジナルのケチャップライスに仕上げている。

 また、希少な神戸牛A5ランクのすじ肉を取り入れた「極カレー丼」(800円)も開発。具材の野菜は、水ではなく神戸牛のだしで煮込んでルウを作るなど、こちらも肉のうま味とコクを生かして調味。すじ肉たっぷりのぜいたく感ある丼となっている。

 「マッカレー」は、オムライスと黒毛和牛すじ肉カレーの黄金コンビ。こちらも、「一緒に食べたい」という声から2年前に生まれたものだ。カレーは、プラス300円で神戸牛A5ランクのすじ肉に変更可能。オムライスの中身は、既存メニューと同じケチャップライスだが、卵は“ドレス・ド・オムライス”をイメージしてドレープをつけて巻いているのが特徴だ。

 「神戸らしいおしゃれ感とインスタ映えも狙った、女性を意識したメニューですが、実際は40~50代の男性客に好評。見た目以上にボリュームがある満足感がウケているようです」と新野さん。すじ肉は、洋風メニューには結び付きにくい食材だが、活用次第で展開が広がる好例といえるだろう。

 ●店舗情報

 「すじ玉丼 糀屋(KOUJI-YA)」 所在地=神戸市中央区三宮町2-11-1-A15 センタープラザ西館地下1階/開業=2001年10月/坪数・席数=約4坪・8席/営業時間=10時30分~17時。不定休/平均客単価=800円

 ●愛用資材・食材

 「さしみタマリ」 盛田(名古屋市中区)

 甘味と照りを出す醤油

 すじ肉の煮込み時に活用するのが、濃口醤油と、コクがあり甘めの味わいを持つ同品。濃口醤油だけでは辛味が勝ちすぎるため、この醤油をブレンドすることで甘味が出て、きれいな照りも実現できるのが魅力という。「他のたまり醤油を試してみたが、これが一番よい」(足立美智子店主)と愛用する商品だ。

 規格=1.8L

購読プランはこちら

非会員の方はこちら

続きを読む

会員の方はこちら