メニュートレンド:ニュースタイル牛鍋 「トマト味噌」「厚切り和牛」で魅力倍増!

2020.04.06 494号 01面
「肉や野菜を少しずつ煮て、最も食べ頃で食べていただきたい」(佐藤店主)として、火の通り具合が分かりやすいよう、2~3人用の小型鍋で提供される

「肉や野菜を少しずつ煮て、最も食べ頃で食べていただきたい」(佐藤店主)として、火の通り具合が分かりやすいよう、2~3人用の小型鍋で提供される

トマト味噌の牛鍋 1人前・2,800円(税抜き)黒毛和牛を1人前約140g使用。具材は定番の牛鍋と同じだが、食べ方は斬新。冬には約9割のお客が注文する(写真は2人前)

トマト味噌の牛鍋 1人前・2,800円(税抜き)黒毛和牛を1人前約140g使用。具材は定番の牛鍋と同じだが、食べ方は斬新。冬には約9割のお客が注文する(写真は2人前)

トマト味噌をのせ、溶き卵につけて食べる

トマト味噌をのせ、溶き卵につけて食べる

上品で落ち着く店内。看板メニューの牛鍋のほか、旬の野菜を丁寧に調理した日本料理が味わえる

上品で落ち着く店内。看板メニューの牛鍋のほか、旬の野菜を丁寧に調理した日本料理が味わえる

 のせるネタや醤油をアレンジした創作寿司や、だし汁を各種スープに替えたスープしゃぶしゃぶなど、日本食も時代に合わせて進化している。しかし、“割り下で煮て生卵で食べる”と完成されている分、アレンジしづらかったのが牛鍋だろう。寿司、しゃぶしゃぶの進化に押されがちだったこの牛鍋を、新しい食べ方で楽しませてくれるのが「目黒の和食 さとう」の「トマト味噌の牛鍋」だ。

 同店の前身である和ビストロをオープンする際、オンリーワンの店を目指し、「この店でしか食べられない看板料理」を打ち出そうと佐藤淳一店主は考えた。「イタリアンやフレンチでは牛肉とトマトの組み合わせはメジャーですが、和食では珍しい。これで何かできないものか、と。そこで牛鍋をトマトでアレンジしてみようと思いつきました」と、佐藤店主は話す。とはいえ、牛鍋にただトマトを入れるだけでは、面白くない。フキ味噌や大葉味噌など、日本料理ではおなじみの変わり味噌の発想から、トマト味噌を作り、牛鍋と合わせるメニューに行き着いた。

 トマト味噌は、西京味噌と八丁味噌をブレンドし、フレッシュトマト、ホールトマト、みりん、酒でのばして火にかけ、3分の1量になるまで水気を飛ばしてフレッシュでパンチのある味に仕上げている。

 直径約20cmの小型の南部鉄鍋に牛肉を並べ、割り下を入れ、真ん中にトマト味噌をのせて提供。「“お肉をしっかり食べた!”という満足感を出したかった」(佐藤店主)として、サシの入った黒毛和牛を厚切りの一口ステーキ状にしているのが牛鍋には珍しい。割り下はトマト味噌の風味をぼけさせないよう通常よりも薄味にし、「牛肉は煮込まず、軽く火を通すぐらいのレアでどうぞ」(佐藤店主)と、食べ方も従来の牛鍋とは一線を画す。牛肉にトマト味噌をのせ、溶き卵につけて食べると、牛鍋というよりも焼肉に近い食べ応えだ。食べ進んでいく内にトマト味噌が少しずつなじんで“コクのある和風トマトソース”といった趣になり、この汁で野菜をさっと煮て食べるのがまた格別だ。

 牛鍋はまだまだ進化する余地あり。そんな可能性を感じさせてくれるメニューである。

 ●店舗情報

 「目黒の和食 さとう」 所在地=東京都品川区上大崎2-13-26 メイプルトップビル地下1階/開業=2013年/坪数・席数=約20坪・25席/営業時間=17時30分~23時。日・祝休/平均客単価=8000円/1日平均集客数=20人

 ●愛用資材・食材

 「西京白味噌 上撰」 西京味噌(京都市上京区)

 滑らかで甘すぎず風味豊か

 米麹を大豆の2倍使用した白味噌で、同店では八丁味噌とブレンドしてトマト味噌に使用。「口当りが滑らかで、仕上がりがよいですね。西京味噌は甘いタイプが多い中、甘過ぎずフレッシュな風味で気に入りました。品質が高いのに価格はリーズナブルで使いやすい」と、佐藤店主は話す。

 規格=1kg

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