アパレルに学ぶ盛り付けのヒント:中小、中堅ファッション企業がテレビCM
●YouTubeと異なる層へ
ファッション関連の中小・中堅企業が今春、初めてテレビCMに取り組むケースが増えています。SNSやYouTubeとは異なる層に広くアプローチし、知名度を上げることが主な目的です。公式サイトやSNSへのアクセス増加、売上げ増などの効果が表れているようです。
コロナ禍によるCM料の値下がりも新規参入の要因です。企業がテレビCMを停止、削減する動きが顕著です。関係者によると、CM料は値下がりし、イベントなど放送以外のサービスを付けるなどの傾向もあるといいます。
レディスバッグ・小物のスタジオアタオ(神戸市)は2月にオリジナルのキャラクターブランド「イルメール」のCMを関東、関西で放映しました。プロモーションの中心だった「YouTubeをよく見る人はテレビはあまり見ない。テレビをよく見る人はYouTubeはあまり見ない」ため注目したそうです。サイトへのセッション(訪問)数は放映前の約5倍。ツイッターで話題になり、SNSのフォロワーも急増、売上げも大きく伸びているそうです。「キャラクタービジネスは深度より認知が不可欠。CMが認知拡大に寄与することが分かれば継続する」としています。
スポーツシューズのヒーローインターナショナル(神戸市)はイタリア発スニーカー「キナー」で、フジテレビの生活情報番組に30秒CMを流しています。理由は(1)知名度がまだ低いブランドの訴求はマスメディアが有効(2)テレビで“見たことがあるブランド”という安心感が出ること。放映日の公式サイトへのアクセスは通常時の約10倍になりました。
(繊研新聞 取締役編集局長 矢野剛)